ゆいレール「県庁前」から国際通りに入ると、観光客が楽しそうに行き交う光景を目にするだろう。観光客が楽しそうに行き交うのはどこの観光地でも同じだろうけど、ここ沖縄では、やはり南国の「開放感」が街中にも溢れているような気がする。「開放感」は、道行く人々の顔を明るく輝かせて見せる。
その国際通りを一本外れた裏道に「まんじゅまい」という沖縄料理のお店がある。ここは大衆的な料理が中心で、気軽に入れる良いお店だ。
店を入るとテーブル席が並び、その奥には小上がりの座敷席がいくつか用意してある。壁には泡盛やハブ酒の瓶が並び、三線が掛けてあったりして沖縄の雰囲気が溢れているので、観光客も大いに旅情を感じるだろうと思う。料理も充実していて、メニューはどれを食べようか迷う程多いので、大人数で色んな料理をシェアすると楽しい。
レバニラ炒めには「島豆腐」が入っている。
トンカツは分厚くてボリューミー。
五目焼きそばは超特大で、小食の人は完食できないかも。
「まんじゅまい」には何度か訪れたのだけど、ある金曜日に行った時は、いつもと少し雰囲気が違っていた。テーブル席の奥に椅子が一脚据えられていて、そこに三線を抱えたおじさんが座っている。
「金曜と土曜は八時から九時の間はライブをやってるんです」
女将さんらしき人が注文を取るに来た時にそう教えてくれた。
「今日は少ないけど、いつもは満席なんですよ」と言う。
この日は台風が接近して来ていたので、店内の客は少なめだ。そんな少人数のライブ会場で三線の演奏を聴くのは、ラッキーだった。
ぼくとツマが、メニューから「煮てびち」と「麩チャンプル」と生ビールを頼むと、新しい曲の演奏が始まった。
民謡のような伝統的な演奏が続く。明るい曲が流れれば、大将や女将さんが手に持った楽器を打ち鳴らし、沖縄風の「あの口笛」を吹く。そうすると店内の南国ムードは一気に高まる。
また、静かな曲をしみじみと歌えば、この地の風土が心に染みこんでくるようだ。
ぼくとツマは、三線のおじさんが一曲終える度に大きな拍手を送った。そんなぼくらが、いかにも他所からやって来た人に見えたからだろうと思う。おじさんは「島人ぬ宝」と「島唄」をメドレーでやってくれた。
ぼくのオリオンビールのジョッキは空になり、3杯目をお代りした。ツマが厳しい目でぼくを見る。ぼくはその視線を避けるように、おじさんんが演奏する「島人ぬ宝」に聞き入るのだった。
煮てびち(豚足)
麩チャンプル。
「島人ぬ宝」~「島唄」のメドレーは6分ほどあります。ちょっと長いけど、南国ムードに浸れると思います。時間がある方は是非どうぞ!