南風通信

みなみかぜつうしん あちこち 風のように

天下一品のパンチ力

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初めて食べた天一の「こってりMAX」は、想像していたより「あっさり」でした。そして、もちろん美味しかったのです。

それほど「こってり」に感じなかったのは、都市伝説で「スープに箸が立つ」ほどにこってりだと聞いていたからかもしれません。そんなことはありませんでしたよ。

 

「こってり」は「濃い」とは全然違っていて、そこに驚きました。天一やるなあ。

問題は、次に天一へ行った時です。「こってり」を注文するのか、「こってりMAX」を註文するのか。ひょっとして、もう、ただの「こってり」には戻れないのではないかと危惧しているのです。

 

外食はやっぱりインパクトだよなあ、と思います。わざわざお金を出して、食べに出掛けたくなるものって、やっぱりパンチ力あります。そして、ぼくは「こってりMAX」にノックアウトされたのでした。また、食べたい食べたい。

 

さよならBeatles さよならあの頃の自分


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Beatles のNow and Thenが全英チャートでナンバーワンを取ったりと、この曲を巡る話題は尽きること無く、語り続けられている。

 

最近、耳にした話題は「Bメロ全カット問題」だ。

ジョン・レノンが1970年代に歌ったデモテープではAメロ、Bメロ、サビといった構成なのだけれど、今回のBeatlesの最後の新曲では、Bメロが全てカットされているという。

 

ぼくは音楽的な素養が全くないので、この辺のテクニカルなところは分からないのだけれど、Bメロありのデモの方は、とてもジョンらしい美しい曲に仕上がっているように思う。

 

それに対して、今回発表されたバージョン(当然ポール・マッカートニーが構成を変えた)は、とてもBeatlesらしい曲になっているように思う。

 

MVでもジョンは、やたらとおどけてばかりで、Beatles後期の暗さがない。

オーケストラをバックにしたギターソロの場面で、おどける若きジョンを見ながら、口元に小さく笑みを浮かべる、老いたポール。(MV3:06くらい)

ポールの中のBeatlesは、この頃、初期のBeatlesなのだろうと思ってしまった。この頃のBeatlesが「良い思い出のBeatles」なのだろうと。

人は、時が過ぎ去ってしまえば、良い思い出ばかりが思い出されるというではないか。ポールもそんな心境になっている自分を、しみじみと噛みしめているのではないだろうか。

 

ともあれ、ポールは、Beatlesを永遠の伝説のバンドにはしなかった。解散から53年を経て、自らの手で完結させた。

 

「随分と時が経ったね。時代も移ったし、みんな年齢もとった。もう、ここらで終わりにしよう」ポールがそう囁くのが聞こえたような気がした。

 

それは、大げさに言えば、20世紀がいよいよ本当に終わったという事のようにも思える。2023年を境に、2024年から時代は更に大きく変化し、そのスピードは加速していくのではないか。このBeatlesの最後の曲を何度も聴きながら、そんなことを思う。

ゴルフとの微妙なカンケイ


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ゴルフがあまり好きでない。

それでも誘われれば、出掛けてゆきます。

しかし、冬のゴルフは辛いのです。

この日は朝から、雪まじりの吹雪が吹き荒れ、人生で一番過酷なゴルフとなりました。

本当に寒かった。

 

ぼくのゴルフ嫌いは、人生初のゴルフのせいだと思うのです。バブル末期の初ゴルフ場は、クラブハウスに水瓶を抱えたビーナスの像があって、噴水が流れていました。プレー代は4万円以上で、昼食のカレーライスが3千円くらいしました。こんなお金がかかる遊びは、まっぴらゴメンだ思ったものです。

 

その後、バブルが崩壊して、全国のゴルフ場が次々に破綻していきました。いやいや、すごい時代でした。

 

今回のプレー代は昼食込で1万2千円ほど。遊びの代金としては決して安くはないけれど、それでも随分安くなったものです。

 

しかし、この30年くらいゴルフのスコアは、全く上達しない。困ったものです。

 

ジョイフル


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同僚と一緒に、お客さまを訪問する事になった。

そういう事はよくある。

 

その日は朝から忙しくしていて、その同僚と事務所を出掛けるギリギリまで、別の仕事に追われていた。ようやく同僚の車に二人で乗り込んだのはお昼の12時少し前だった。

 

客先までは車で30分程だったので、午後1時のアポまではそんなに余裕もなかったが、急ぎで昼食を済ませようと、大分県が誇るファミレスチェーン「ジョイフル」に飛び込んだ。

 

思えば、随分久し振りのジョイフルだった。全国転勤をしていた頃は、どこの街に行ってもこのジョイフルがあった。けれど、他県に住んでいた時にジョイフルに行ったことがない。なんとなく、知らない街で突然幼馴染に会ったような、気恥ずかしいような気がして。

 

高校生ぐらいから二十代の前半の頃までは、友人たちと遊んだ後、まだ家には帰りたくなくて、ジョイフルでコーヒー1杯で何時間も過ごした。

 

この頃はコーヒーがおかわり無料で、女性の店員がテーブルまでやってきて「おかわり如何でしょうか」と声をかけてくれた。ぼくらが何時間もいるものだから、何度も何度も「おかわり如何でしょうか」が繰り返された。ぼくらも律儀にコーヒーを飲み干しては、何度もおかわりを頂いた。いい時代だ。

 

朝方になって、客席には僕らしかいなくなった頃には、さすがに「おかわり如何でしょうか」のお姉さんはやって来なかった。そんな時間帯には、ぼくらはどうにも退屈しきっていて、仲間の誰かが「砂糖って、どれくらいまでコーヒーに溶けるか試してみよう」と、シュガーポットの中の砂糖をスプーンですくい、何杯もコーヒーに入れ始めた。しばらくは普通に溶けていた砂糖がカップの底に溜まりだし、やがてコーヒーの水面下に、溶けきれない砂糖の山ができた。ぼくらは疲れ切ってもいて頭が少しゆるくなっていたので、誰かが大声で笑い出したのにつられて、みんなで壊れたおもちゃのように、客のいない店内で大声で笑った。時代はバブル絶頂に向かう、1980年代の末期だった。

 

午後1時のアポに間に合わせようと、久し振りのジョイフルで、ぼくは日替わりランチを食べた。ハンバーグと唐揚げの定食だった。充分に美味しくて、それでいて500円玉1つ、ワンコインの代金だった。このインフレのご時世でジョイフルは偉いよ、と思う。

 

この日、懐かしいジョイフルに元気づけられたお陰か、午後の仕事を首尾よく終えることができたのだった。

私的不定期名曲選『この曲もえーやん!』 NOW AND THEN / THE BEATLES

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ビートルズの新曲を聴いた。
なんだか不思議な気持ちになった。
また、ジョン・レノンに会えた喜び。随分な時が流れた寂しさ。この曲がちゃんとビートルズの曲になってい
た事。それを成したポールとリンゴに対する敬意と感謝。
色々な思いが起こってきたけれど、つまり、それはとても嬉しかったのだ。
 
そして、今日公開されたMVで、メンバー4人がまた一緒に演奏している姿を見ることが出来た。
少し泣きそうになった。
 
テクノロジーの進化に感謝した。
こういった進化なら良い。
結局、テクノロジーを使う人の心が現れるのだ。
 
ポールマッカートニー、そして、リンゴスター。本当に有り難う。
きっと色々なことがあっただろうけど、やっぱり4人はビートルズなんだ。
 
 

若者のすべて

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健康診断で指摘を受けてから、大好きなラーメンを食べることを躊躇するようになった。

普通のとんこつラーメンはまだしも、いわゆる二郎系や二郎インスパイア系は、なかなか手が出ない。うーん。寂しい。

 

若いうちに、食べたい物をたらふく食べて、飲みたいものをどんどん飲むのが良い。やがて出来なくなるのだから。昔は焼肉とビールが何よりのヨロコビであったのだ。

 

独身の頃は、先輩や同僚後輩たちと、仕事終わりに、ほぼ毎晩飲んで帰っていた。そして、駅から自宅へ向かう道すがらに何軒ものラーメン屋さんの誘惑。ラーメン屋の大将とも仲良くなって、試作品のラーメンを食べさせてくれたりしていたなあ。

 

食べたい物を食べろ。やりたいことをやれ。会いたい人に会いに行け。本を読め。映画をみよ。音楽を聴け。仕事は懸命にしろ。そして、旅に出よ。そんな風に若い時を過ごしてきた。

 

その頃よりは、少しは賢くなっただろうけど、これからも賢くて愚かなおじさんでいたいと思う。

 

 

バードウオッチングへの誘い

 

 ちょっと前から「遊び」について考えている。

 やっぱり50歳を越えてくると、日常に楽しみが必要だなと思うことが多くなってきたというのもある。それなりに、ぼくも頑張ってきたじゃないかと自分を褒めてあげ、楽しみの時間を自分に与えたい。そんな気持ちが湧いてきたのだ。

 きっかけは、カンニング竹山さんの「50歳からのひとり趣味入門」という本なんだけど、これが気負っていなくてユルくてなんだか良かったのだ。

 

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 それで時間をとって、あらためて手帳に「自分が楽しいと思うこと」を書き出してみた。

・キャンプ

・バスフィッシング

・ミステリ-を読む、映画やドラマなどのミステリー関連のもの。

・映画を観る

・お酒(良い酒場を見つける)

・ひとり旅

・プロレス観戦(インターネット観戦ばかりになっているが)

・ボードゲーム

・フリー切符を利用しての鉄道旅行(ひとり旅に通じますね)

・読書会(本好きの人との会話はとても楽しい)

・テニス(やったこと無いけどやってみたい)

・フットサル(昔はサッカー小僧だった)

・ゴルフ(そろそろ真面目にやろうかな)

 

・・・といった具合に「遊び候補リスト」が出来上がっていったわけなのだけれど、その中の一つに「バードウオッチング」があったというわけなのです。

ちなみにこうやって「手帳に何か書く」という事や「お気に入りの文具を使う」というのも楽しみ。

 

 バードウオッチングは全くやったことが無かったが、もともと自然に触れるのは好きだし(バスフィッシングは自然の中で過ごすのが好きで始めた)、好きで読んでいる漫画雑誌「コミック モーニング」に連載されている「とりぱん」という漫画があって、これがとても良いカンジというのもきっかけだと思う。これは身近な野鳥を題材にしつつ、季節の移り変わりと、ささやかな生活の発見を描く漫画で、好きでずっと読んでいる。

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 まあそんな風にバードウオッチングに興味をもって、日本野鳥の会のHPを見てみた。すると、地元の支部で「探鳥会」というものを催していることを知って、早速、行ってみることにしたわけだ。

 10月22日、日曜日は快晴でとても気分の良い日だった。初めての「探鳥会」にはもってこいの日和。車で集合場所の「水の楽校」に行くと、既に二十数名の人たちが集まっていた。事前に連絡してあったので、エトウさんという男性が待っていてくれた。この日は、このエトウさんのガイドで一緒に回らせて頂いた。

 大分市内を流れる乙津川の河原を、皆さんに交じって歩く。少し汗ばむくらいにまだまだ暑い。やがて、木々がこんもりと茂ったエリアにさしかかるとエトウさんが「あの鳴き声は何の鳥か分かりますか?」と問うてくる。今までも鳥の鳴き声を聞くと「あー、なんか自然という感じでいいなあ」くらいには思っていたが、鳥の種類まで考えたことは無かった。聞こえてきたのはモズの鳴き声だった。

 エトウさんが持参している望遠鏡を覗いて見るように勧めてくれる。「ほら、胸にうろこ模様が見えるでしょう。あれは雌のモズです」と言われる。30倍率の望遠鏡に捉えられたモズの姿はとても美しく、ずっと見ていられそうだった。

 「モズの高鳴きといって、あれが聞こえてくると秋の訪れを感じるんです」とエトウさんが教えてくれる。50年以上生きてきても、知らないことは、まだまだ沢山ある。そんな事が嬉しくなり、眠っていた好奇心が動き出すのを感じる。

 その後も「ジョウビタキ」や「カルガモ」「コガモ」「オオサギ」等をエトウさんの望遠鏡で見た。それぞれに美しく、健気に生きている姿に見とれてしまう。

 約2時間をのんびりと歩きながら、野鳥を見ることが出来てとても楽しい時間を過ごすことが出来た。最後に全員集まって今日見ることが出来た鳥の種類をリストにチェックを入れながら確認しあう。全部で35種の鳥が確認されていた。

 参加者は小さな子ども連れのママや、本格的なバードウオッチャーの中学生の女の子に高校生の男の子(ガイドしてくれたエトウさんは彼らの事を嬉しそうに紹介してくれた)、更にぼくと同年代から上の世代までと幅広い。とても気持ちの良い集まりだった。

 「是非、また参加させて頂きます」と言って彼らと別れた。自宅に戻ってから、事前に野鳥の会のHPで買ってあった「野鳥観察ハンディ図鑑」を眺めながら、昼間に過ごした素敵な時間を思い出している。

 バードウオッチングはありだな。図鑑のモズを見ながら、そう思うのだった。





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