南風通信

みなみかぜつうしん あちこち 風のように

沖縄の魚料理はちょっと…とは言わせない

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ぼくは2019年の夏に、転勤で沖縄にやって来たわけです。

前任地は四国の高知県でした。

お世話になったお客さまに、転勤のご挨拶に行くと、

「今度は沖縄ですか。あー良い所やねえ。沖縄は何度も行ってるけど、景色は良いし、人は良いし良い所よねえ」と言われました。

しかし、続けて言われた言葉が少し気になりました。「食べ物はねえ、肉は美味いよねえ。やけど魚はちょっと・・・」

転勤でやって来るまで沖縄に来たことが無かったぼくは、何となくそうなんだなあ、とその言葉が記憶に残りました。まあ、高知人は、「カツオ」はもちろん「清水さば」や「うるめいわし」など絶品の魚を堪能できる環境で生活しているので、ちょっと魚にはうるさい面もあるんですけどね。

 

沖縄で生活してみて、公設市場などで色とりどりの熱帯魚(?)が魚屋さんに並んでいるのを見ると、写真の被写体には持ってこいなんだけど、正直、食べてみたいとは思わなかったんだなあ。

 

そんな訳で魚料理を食べない沖縄生活を過ごしていたんだけど、ある日、会社の人に誘われていった街の居酒屋で初めて沖縄の魚料理を食べた。何品か魚料理をオーダーしたんだけど、散々な感じで何ていう魚を食べたかも覚えていない。(沖縄の魚の名前は独特なのだ)そんな「事件」もあって、更に魚料理を食べる事は無くなっていった。

 

それで、ある日の事。県南部にお出掛けした時に、お昼ご飯をどこにしようという事になった時、ツマが「糸満にある糸満漁民食堂って美味しいらしいよ」と言い出した。正直、心は1ミリも引かれなかったんだけれど、地元のローカル番組で漁民食堂の「魚汁」が美味しいと紹介されていたので、少しばかりの好奇心はあった。だけど、気乗りのしないぼくは、「目の前のびっくりドンキーで充分なんだけど」と声に出さずにそう言った。

 

我が家の日常として、食事でツマが行きたいと言い出したお店に、ぼくの拒否権は無いという暗黙のルールがあるのだ。

 

そんなわけで、到着しました。糸満漁民食堂。むむむ、お洒落な外観じゃないか。11時半の開店直後に到着したが、多くの人が順番待ちしてます。いや、外観じゃ味は分からないよ。

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店員さんに誘導されて入店。店内もお洒落です。漁民食堂というから、漁師のおじさん達が出入りして、厨房には漁師の奥さん達が忙しいそうに働くプレハブのようなお店を想像してたけど、全然違います。まるでカフェレストランのよう。

メニューもかわいい。

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かわいいメニューを眺めながら、ツマはイマイユ(新鮮な魚)のバター焼き定食を。ぼくは、気になっている魚汁定食に。ちなみに、バター焼き定食は、黒板に書かれた「本日の魚」から選んでバター焼きにしてもらいます。

あと、沖縄天ぷら好きなぼくは、イカの天ぷらもオーダーします。

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ツマのバター焼き定食の前菜。ちょっともらったマグロの黒胡椒なんとかが(すみません。忘れました)美味い。確実に美味い。

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お刺身は山椒のピリリと効いた「しびれ醤油」で頂きます。ぴりりりり。本当にしびれますー。でも、癖になる。

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沖縄イカ天ぷらは塩で頂きます。はあ、うまい・・・。外はカリっと中はもっちりの沖縄天ぷらです。イカが分厚くてウンマイ。ここはお酒が飲みたくなるお店です。運転してるので今日は我慢。

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そして魚汁の登場です。土鍋に入っています。

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ツマのバター焼きも、どどーんと登場。迫力あり。

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・・で。魚汁ですが、スープはこってりとしていて味噌ベースかと思いきや、しょう油と胡麻ベースだそうです。ちょっと上品な味わい。

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お豆腐(島豆腐かな?)

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白魚の切り身。

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スープが意外とさっぱりしていたのは、トマトのお陰でしょうか。

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漁民食堂の「魚汁」という名前では勿体ないような、洗練されたお料理でした。大満足&再訪決定です。少しつまんだツマのバター焼きもとても美味しかった。

 

 

ツマのデザート。ゴマのアイスクリームも隙がない。

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糸満市は歴史のある漁師たちの町です。その「糸満」の名前を冠した、この「糸満漁民食堂」。海の民たちのプライドを充分に感じられます。はああ、美味かった。絶対おすすめです。今度、県外からお客さんが来たら絶対に連れて来ようっと。

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