南風通信

みなみかぜつうしん あちこち 風のように

マティーニの夜


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ちょっと限界的に忙しい。

仕事も複数の重めな案件が続いているし、ボランティアの役職や、趣味の集まりや、資格試験の勉強なんかもあって、心身ともに騙し騙しやっている感じ。

 

この土曜日は、昔の友人たちとの集まりがあった。

この集まりの予定が入ってきた時には、この時期がこんなに忙しくはなかったはずなのに、どうしてこうなったのだろう。

 

しかし、仕事に関しては忙しいのが有り難いという貧乏性が抜けず、息も絶え絶えながら喜びにかえている。おれはMなのか?

 

仲間たちが2次会に流れるのを見送って、一人でバーに入った。近くにも何件かバーがあって飛び込んでみたこともあるが、やはりここが一番だ。ぼくが20代の頃に、友人のA君と初めてバーという場所に来たのがこの店だ。もう三十年以上も前の話。しかし、バーのマスターは全く齢を取らないように見える。いつみてもジェントルで柔らかい笑みを浮かべている。

 

カウンターに1人掛けて、初めて来た時と同じマティーニを頼む。カウンターの並びには同年代の男女四人組が、楽しそうに談笑している。こちらも、古い友人の集まりだろうか。

 

久し振りのマティーニを味わう。少しドライに仕上げてもらったカクテルを見つめる。このお酒の味は全く変わらない。流石、ジェントルなマスターの仕事だ。

 

明日も忙しい。1杯で今夜は帰ろうと思う。

色んな事が少し落ち着いたら、有給を取ってソロキャンプにでも行こうか。何にもせずにぼーっとして過ごしたい。オリーブの香りの残るカクテルを味わいながら、一息つけてそう思った。