南風通信

みなみかぜつうしん あちこち 風のように

さよならBeatles さよならあの頃の自分


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Beatles のNow and Thenが全英チャートでナンバーワンを取ったりと、この曲を巡る話題は尽きること無く、語り続けられている。

 

最近、耳にした話題は「Bメロ全カット問題」だ。

ジョン・レノンが1970年代に歌ったデモテープではAメロ、Bメロ、サビといった構成なのだけれど、今回のBeatlesの最後の新曲では、Bメロが全てカットされているという。

 

ぼくは音楽的な素養が全くないので、この辺のテクニカルなところは分からないのだけれど、Bメロありのデモの方は、とてもジョンらしい美しい曲に仕上がっているように思う。

 

それに対して、今回発表されたバージョン(当然ポール・マッカートニーが構成を変えた)は、とてもBeatlesらしい曲になっているように思う。

 

MVでもジョンは、やたらとおどけてばかりで、Beatles後期の暗さがない。

オーケストラをバックにしたギターソロの場面で、おどける若きジョンを見ながら、口元に小さく笑みを浮かべる、老いたポール。(MV3:06くらい)

ポールの中のBeatlesは、この頃、初期のBeatlesなのだろうと思ってしまった。この頃のBeatlesが「良い思い出のBeatles」なのだろうと。

人は、時が過ぎ去ってしまえば、良い思い出ばかりが思い出されるというではないか。ポールもそんな心境になっている自分を、しみじみと噛みしめているのではないだろうか。

 

ともあれ、ポールは、Beatlesを永遠の伝説のバンドにはしなかった。解散から53年を経て、自らの手で完結させた。

 

「随分と時が経ったね。時代も移ったし、みんな年齢もとった。もう、ここらで終わりにしよう」ポールがそう囁くのが聞こえたような気がした。

 

それは、大げさに言えば、20世紀がいよいよ本当に終わったという事のようにも思える。2023年を境に、2024年から時代は更に大きく変化し、そのスピードは加速していくのではないか。このBeatlesの最後の曲を何度も聴きながら、そんなことを思う。