沖縄が緊急事態宣言に入る前に、映画を観た。
話題になった映画なので、観た人も多いかも知れない。タイトルは『ノマドランド』。
僕はロードムービーが好きなので、この映画がロードムービー的だと聞いて、とても気になっていた。
イージー・ライター、ファンダンゴ、スタンド・バイ・ミー、パリ・テキサス、サイド・ウェイ、リトル・ミス・サンシャイン。
思い付くままにタイトルを挙げてみたが、どれも好きなロードムービーだ。
その上での『ノマドランド』なのだけれど、正直、ちょっと観ていて「しんどいな」と感じる部分もあった。
元来、ロードムービーは、まだ人生の定まっていない若者と相性が良い。それはモラトリアム的な、一時の猶予とでも言おうか。
『ノマドランド』には、そんな甘さはどこにもない。現実の生活は、今日一日を猶予させてくれない。むしろ、意思を持って、そこに自分を組み込んでゆく。
この超高度資本主義社会の、明日なき明日を生きる高齢者達の生活が、そのままロードムービー的であるとは、なんという皮肉かと思ってしまう。