南風通信

みなみかぜつうしん あちこち 風のように

徳島県

早春の記憶

3月の年度末を忙しく過ごしています。そんな中、所用で高知から徳島までの日帰りドライブ。朝から春の柔らかな雨が降る中を、高速道路を飛ばしてゆきます。 車窓の外は雨のなのですが、景色は着実に春を感じさせるようになってきました。冬の冷たく暗い雨と…

国道32号を北上せよ

国道32号は香川県高松市を起点とし、終点の高知市までを南下すると、四国を南北に縦断する形になる。途中、四国山地の険路を越えて、吉野川の清流と並走し、瀬戸内と太平洋を結ぶように下るのだ。 10月27日の高知市は快晴だった。秋晴れの空は青く、高く広が…

四国バースデイ・フリー切符の旅 ④

2017.7.7 塩尻10:52発ー讃岐財田ー琴平ー多度津11:43着 コトトン、コトトン。レールを走る振動が心地よい。遠くの山々も近くの木々も、夏の雨に滲んで車窓を後方へ流れて行く。 土讃線を走る列車の中で、ぼくはただ流れて行く景色を眺めていた。 コトトン、…

四国バースデイ・フリー切符の旅 ③

駅の待合所の外では柔らかい雨が降っていた。柔らかな雨は景色の彩度を落としてしまい、現実感が少し薄まってしまう。どこかセンチメンタルな雨だった。7月初旬、「秘境駅」坪尻駅に一人きりでいるぼくは、少しセンチメンタルだったようだ。 <坪尻スタンプ…

四国バースデイ・フリー切符の旅 ②

前回の続きです www.fuku-taro.net 2017.7.7 「秘境駅」というものをご存じだろうか。四国には全国的に名高い「秘境駅」があるらしい。「秘境」という言葉は、少年時代に憧れた冒険譚を思い起こさせる。それだけでワクワクさせられる。そのワクワクに誘われ…

四国バースデイ・フリー切符の旅 ①

旅人、松尾芭蕉は「旅を栖(すみか)とす」と記したという。ぼくにとっての旅は、しばしの「流れていく景色」だ。私的なロードムービーだ。 今年の冬に、フリー切符を使って列車とバスの旅をしました。高知市から「四国のみぎした」を抜けて徳島へ至る短い一…

四国みぎしたフリー切符の旅(復路1・甲浦編)

あの列車一人旅から気が付けば一か月近くが過ぎようとしている。仕事は年度末の大行進中であり、諸々忙しくしている。日々はあっという間に過ぎてゆく。 この拙い文章を完結させるためにも、時間を巻き戻そう。四国みぎしたフリー切符の旅3日目の朝は、前日…

四国みぎしたフリー切符の旅(徳島ウロウロ編)

四国みぎしたの旅は続いている。旅は二日目なのである。 昨晩から徳島にいる。そして、この日の予定は、全く決まっていないのだ。 ホテルの部屋で朝をゆっくりと過ごしました。気楽な一人旅です。あんまり早くから予定を入れるのも仕事じゃああるまいし。 こ…

四国みぎしたフリー切符の旅(往路編その3)

海岸沿いの国道55号をバスは走る。平日の午前中で乗客は少ない。ここは「四国のみぎした」の室戸岬だ。 室戸岬をめぐる、この国道沿いの景色は、海の美しさと町の寂しさの組み合わせで構成される。実際、日本の地方都市ではどこにもあるような状況だと思うが…