フリー切符の旅
2017.7.9 宇和島9:39発ー土佐大正11:18着 土佐大正13:20発ー窪川13:47着 窪川14:02発ー高知15:04着 四国の右下、愛媛県と高知県の境はとても山深い。車窓のガラスを時折擦るほどに木々が迫っていて、若い枝の葉が、かさかさと音をたてる。 鮮やかな赤と緑の…
2017.7.9 内子8:36発ー宇和島9:30着 香川県の高松駅から愛媛県の松山駅を経て、愛媛県南予の宇和島駅へ至る予讃線は、JR四国管内で最長の路線だ。その行程、全長297キロの大半を、瀬戸内海に沿って東から西へ抜けて行く。愛媛県の松山駅を過ぎ、やがて…
2017.7.9 内子08:36発ー宇和島09:30着 <早朝の内子町のカメラ散歩> 旅先の宿では、いつも目覚ましのアラームが鳴る前に起きてしまいます。荷物を背負って列車以外は歩いてばかりの旅は、3日目になれば疲れも感じます。しかし、知らない土地で目覚める事に…
2017.7.8 伊予市14:57発ー下灘15:21着 下灘16:35発ー伊予大洲17:39着 伊予大洲17:42発ー内子18:13着 走る列車の車窓から、薄曇りの空を見上げる。薄く空一面に広がる雲が淡く輝いている。それはまるで陽光の間接照明のようだ。 その淡い光の雲の下で、白く穏…
2017.7.8 今治11:35発ー松山12:10着 松山13:24発ー伊予市13:32着 <四国を旅するなんて思いもしなかった> 予讃線を走る特急しおかぜ5号は、流線型の車体をシルバーに輝かせながら西へ向かいました。今治から松山までをノンストップで30分程かけて走ります。…
2017.7.8 今治11:35発ー松山12:10着 今治のお国言葉は少しぶっきらぼうだ。そして、ぼくの故郷のそれにどこか似ている。 今治中央警察署に向かうタクシーの中で、高知から来たと伝えたぼくに女性の運転手が言う。 「今治は石鎚山のお陰で台風も避けて通るで…
前回の続きです www.fuku-taro.net 2017.7.7 多度津12:44発ー観音寺13:15着 観音寺13:41発ー伊予西条14:52着 伊予西条15:27発ー今治16:04着 フリー切符の旅は「何もしない事」をするための旅だ。今どきの電車内の光景は、横一列のベンチシートに並んだ乗客が…
2017.7.7 塩尻10:52発ー讃岐財田ー琴平ー多度津11:43着 コトトン、コトトン。レールを走る振動が心地よい。遠くの山々も近くの木々も、夏の雨に滲んで車窓を後方へ流れて行く。 土讃線を走る列車の中で、ぼくはただ流れて行く景色を眺めていた。 コトトン、…
駅の待合所の外では柔らかい雨が降っていた。柔らかな雨は景色の彩度を落としてしまい、現実感が少し薄まってしまう。どこかセンチメンタルな雨だった。7月初旬、「秘境駅」坪尻駅に一人きりでいるぼくは、少しセンチメンタルだったようだ。 <坪尻スタンプ…
前回の続きです www.fuku-taro.net 2017.7.7 「秘境駅」というものをご存じだろうか。四国には全国的に名高い「秘境駅」があるらしい。「秘境」という言葉は、少年時代に憧れた冒険譚を思い起こさせる。それだけでワクワクさせられる。そのワクワクに誘われ…
旅人、松尾芭蕉は「旅を栖(すみか)とす」と記したという。ぼくにとっての旅は、しばしの「流れていく景色」だ。私的なロードムービーだ。 今年の冬に、フリー切符を使って列車とバスの旅をしました。高知市から「四国のみぎした」を抜けて徳島へ至る短い一…
旅も3日目に入ると体が旅に慣れてくる。そして、スマホも本も手にせず(甲浦で少しだけスマホを手にしたが)情報を遮断していると、周囲の世界への親密度と感度が上がってくるように感じる。周りの光景や音がそのまま自分の中に入ってくる。外と内の境界が緩…
あの列車一人旅から気が付けば一か月近くが過ぎようとしている。仕事は年度末の大行進中であり、諸々忙しくしている。日々はあっという間に過ぎてゆく。 この拙い文章を完結させるためにも、時間を巻き戻そう。四国みぎしたフリー切符の旅3日目の朝は、前日…
四国みぎしたの旅は続いている。旅は二日目なのである。 昨晩から徳島にいる。そして、この日の予定は、全く決まっていないのだ。 ホテルの部屋で朝をゆっくりと過ごしました。気楽な一人旅です。あんまり早くから予定を入れるのも仕事じゃああるまいし。 こ…
海岸沿いの国道55号をバスは走る。平日の午前中で乗客は少ない。ここは「四国のみぎした」の室戸岬だ。 室戸岬をめぐる、この国道沿いの景色は、海の美しさと町の寂しさの組み合わせで構成される。実際、日本の地方都市ではどこにもあるような状況だと思うが…
2月15日。朝の空気は冷たいが快晴。空は晴れわたりどこまでも青く広い。四国みぎしたの旅は続いている。 7時18分に後免駅を出た列車は、通勤・通学客を乗せて静かに進んでゆく。 「次はーよしかわー。よしかわうなおくん のよしかわー」 車内アナウンスが聞…
「旅慣れていると言われている人」に対して少しばかり「羨ましいなあ」という気持ちがある。ぼくは、まったく「旅慣れない人」だ。 海外旅行は過去に台湾へ一度行っただけ。それもほんの数年前の事です。 うちの妻は、ぼくに比べると「旅慣れた人」で、その…