南風通信

あちこち 風のように

四国みぎしたフリー切符の旅(往路編その1)

 

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「旅慣れていると言われている人」に対して少しばかり「羨ましいなあ」という気持ちがある。ぼくは、まったく「旅慣れない人」だ。

海外旅行は過去に台湾へ一度行っただけ。それもほんの数年前の事です。

うちの妻は、ぼくに比べると「旅慣れた人」で、その台湾旅行も妻がてきぱきと予定を組んでしまい、ぼくはついていっただけのようなものなのです。大体ぼくの主張は「旅慣れた妻」からの「より良い提案」に差し換えられてしまう。まぁ、確かに妻の提案の方が、合理的で計画性がある。ごもっともだと思うし確かに快適だ。しかしである。これは「旅に対する考え方」の違いなのであって、ぼくは「旅」に対してあまり計画性とか合理性を求めないのです。むしろ行き当たりばったりとか、軽いハプニングを期待する。だから、どちらが正しいとかそういう事じゃあないと考えています。

それはそれとして。

今回、3日ばかり時間が取れる事になりました。妻は仕事で休みが合わないらしく「仕方ないけど、せっかくの休みだから一人でどっか行きたいところにでも行ってくれば」とのありがたいお言葉。それに甘えて旅行に行く事にしました。仕事以外でも色々と忙しいのだが、そう言っていつもまとまった日程の旅行を後回しにしてきたのです。「いつ行くの?」「今でしょ!」と、自分に言い聞かせて重い腰を上げる事にしました。

 

若い頃、ビム・ヴェンダースという映画監督が好きでした。この監督はその頃ロードムービーばかり撮っていました。ロードムービーは、地方都市に生まれた少年の知らない世界への憧れでした。

 

鉄道旅行に行きたいと思ったのは昨年の夏の終わり頃です。その時に20年以上ぶりに時刻表を買いました。そして、そのままになっていました。20代の前半頃に「青春18きっぷ」を使って、小倉から山陰本線を上って鳥取までの一人旅をした事がありました。若き日の小さなロードムービー気取りの旅です。「またそんな事がしてみたいなあ」と朧気に思いながら日常に忙殺されていましたが、今回はチャンスです。しかし、今は「青春18きっぷ」の利用期間ではありません。「何かほかにフリーきっぷで良いものがないかあ」と調べてみると「四国みぎした55フリーきっぷ(高知~室戸~徳島自由周遊区間)」なるものがあります。これは丁度3日間のフリーきっぷだし、料金も5,500円と他のフリーきっぷと比べて格段に安い。(他の切符は安くても10,000円以上は当たり前)また、「四国のみぎした」って、ちょっとシブいじゃないですか。普通はなかなか行けません。そういえば四国の中で徳島だけは、まだ行った事が無いし、室戸もいつか行ってみたい、と思っていました。「もうこれしかない」こうして、鉄道一人旅が始まりました。

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まだ朝のジョギングをしている人の脇を、荷物を抱えて駅へ急ぎます。駅の構内でコーヒーとサンドイッチを買い、土讃線 7:03高知駅発の列車に乗り込みます。今日は少し寒い。マフラーをギュッと結ぶ。

今回の旅行に際して、自分でどうでも良いようなルールをいくつか考えました。

①日中はノンアルコール

②インターネットを見ない・頼らない。

③本を読まない。

こんなところでしょうか。①の日中ノンアルコールは、せっかくの旅行なので酔ってぼんやり過ごすよりも、五感がすっきりとした状態で味わいたい、というものです。②のインターネットを見ない・頼らないは、敢えて不便を味わいたいという事と、スマホの画面ばかり見ていて景色を見ないのはもったいないから。③の本を読まないも、同様に景色や場の雰囲気を感じなくなってしまうからです。今まで旅行の時はここぞとばかりに、読みたかった本を何冊もバックに詰め込んでいました。キンドルとかそういったものを使わないので紙の本は重いです。それでいて結局は旅行中に読まない事が多い。ぼくは中度の「活字中毒者」なのです。敢えて、今回は非常用(?)の文庫本を一冊だけにしました。読まないつもりでバックに忍ばせたのは「旅をする木(星野道夫)」です。

JR土讃線の列車は後免駅(ごめんえき)に到着しました。ここからは、土佐くろしお鉄道(ごめん・なはり線)に乗り換えです。

この「ごめん・なはり線」は、完成までに37年かかったという第三セクター線です。「JRの撤退による引継ぎでなく、まったく一から造り上げ」て、平成14年7月に完成したそうです。この事から「日本最後のローカル新線」といわれる事もあるそうです。

ところで、ここでお断りしておきますが、ぼくはまったく鉄道に詳しくありません。世の中には鉄道に大変詳しい方が多くいるという事は知っています。ここで、今回の旅行で知った事などを書いていくと思いますが、ひょっとすると勘違いや間違った語句の使い方などがあるかもしれません。その程度の知識の者が書いたものだと思ってお許し頂きたいのです。

さて、この「ごめん・なはり線」には20の駅が存在しますが、その20の駅に1つづつキャラクターがあります。そして、そのキャラを作ったのは高知出身の漫画家 やなせ たかし先生なのです。

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このアンパンマンのキャラクターを髣髴とさせる20個のキャラクターはやなせ先生自身が「駅ごとに沿線の所縁や資源を調べて作って」くれたそうです。

ごめん・なはり線の「知名度を上げるため」やなせ先生の東京の自宅に行き,キャラクターを「何か一点でもお願いできませんかー」とお願いしたところ、やなせ先生は「何言ってんだー。20駅あるなら20いるだろうがー。となった」そうです。

(参考:日本最後のローカル新線 ごめん・なはり線 /  NPO法人ごめん・なはり線を支援する会 代表 浜口勝洋)

ごめん・なはり線。何ともユニークな路線だと思いませんか?

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後免駅にて。「ごめんえきおくん」に見送られて。

ここまで書いてきて、どうも、思ったよりも文章が長くなりそうだという事に気が付きました。

列車は後免駅を出発し奈半利を目指しますが、続きは、また今度という事にします。