南風通信

みなみかぜつうしん あちこち 風のように

バードウオッチングへの誘い

 

 ちょっと前から「遊び」について考えている。

 やっぱり50歳を越えてくると、日常に楽しみが必要だなと思うことが多くなってきたというのもある。それなりに、ぼくも頑張ってきたじゃないかと自分を褒めてあげ、楽しみの時間を自分に与えたい。そんな気持ちが湧いてきたのだ。

 きっかけは、カンニング竹山さんの「50歳からのひとり趣味入門」という本なんだけど、これが気負っていなくてユルくてなんだか良かったのだ。

 

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 それで時間をとって、あらためて手帳に「自分が楽しいと思うこと」を書き出してみた。

・キャンプ

・バスフィッシング

・ミステリ-を読む、映画やドラマなどのミステリー関連のもの。

・映画を観る

・お酒(良い酒場を見つける)

・ひとり旅

・プロレス観戦(インターネット観戦ばかりになっているが)

・ボードゲーム

・フリー切符を利用しての鉄道旅行(ひとり旅に通じますね)

・読書会(本好きの人との会話はとても楽しい)

・テニス(やったこと無いけどやってみたい)

・フットサル(昔はサッカー小僧だった)

・ゴルフ(そろそろ真面目にやろうかな)

 

・・・といった具合に「遊び候補リスト」が出来上がっていったわけなのだけれど、その中の一つに「バードウオッチング」があったというわけなのです。

ちなみにこうやって「手帳に何か書く」という事や「お気に入りの文具を使う」というのも楽しみ。

 

 バードウオッチングは全くやったことが無かったが、もともと自然に触れるのは好きだし(バスフィッシングは自然の中で過ごすのが好きで始めた)、好きで読んでいる漫画雑誌「コミック モーニング」に連載されている「とりぱん」という漫画があって、これがとても良いカンジというのもきっかけだと思う。これは身近な野鳥を題材にしつつ、季節の移り変わりと、ささやかな生活の発見を描く漫画で、好きでずっと読んでいる。

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 まあそんな風にバードウオッチングに興味をもって、日本野鳥の会のHPを見てみた。すると、地元の支部で「探鳥会」というものを催していることを知って、早速、行ってみることにしたわけだ。

 10月22日、日曜日は快晴でとても気分の良い日だった。初めての「探鳥会」にはもってこいの日和。車で集合場所の「水の楽校」に行くと、既に二十数名の人たちが集まっていた。事前に連絡してあったので、エトウさんという男性が待っていてくれた。この日は、このエトウさんのガイドで一緒に回らせて頂いた。

 大分市内を流れる乙津川の河原を、皆さんに交じって歩く。少し汗ばむくらいにまだまだ暑い。やがて、木々がこんもりと茂ったエリアにさしかかるとエトウさんが「あの鳴き声は何の鳥か分かりますか?」と問うてくる。今までも鳥の鳴き声を聞くと「あー、なんか自然という感じでいいなあ」くらいには思っていたが、鳥の種類まで考えたことは無かった。聞こえてきたのはモズの鳴き声だった。

 エトウさんが持参している望遠鏡を覗いて見るように勧めてくれる。「ほら、胸にうろこ模様が見えるでしょう。あれは雌のモズです」と言われる。30倍率の望遠鏡に捉えられたモズの姿はとても美しく、ずっと見ていられそうだった。

 「モズの高鳴きといって、あれが聞こえてくると秋の訪れを感じるんです」とエトウさんが教えてくれる。50年以上生きてきても、知らないことは、まだまだ沢山ある。そんな事が嬉しくなり、眠っていた好奇心が動き出すのを感じる。

 その後も「ジョウビタキ」や「カルガモ」「コガモ」「オオサギ」等をエトウさんの望遠鏡で見た。それぞれに美しく、健気に生きている姿に見とれてしまう。

 約2時間をのんびりと歩きながら、野鳥を見ることが出来てとても楽しい時間を過ごすことが出来た。最後に全員集まって今日見ることが出来た鳥の種類をリストにチェックを入れながら確認しあう。全部で35種の鳥が確認されていた。

 参加者は小さな子ども連れのママや、本格的なバードウオッチャーの中学生の女の子に高校生の男の子(ガイドしてくれたエトウさんは彼らの事を嬉しそうに紹介してくれた)、更にぼくと同年代から上の世代までと幅広い。とても気持ちの良い集まりだった。

 「是非、また参加させて頂きます」と言って彼らと別れた。自宅に戻ってから、事前に野鳥の会のHPで買ってあった「野鳥観察ハンディ図鑑」を眺めながら、昼間に過ごした素敵な時間を思い出している。

 バードウオッチングはありだな。図鑑のモズを見ながら、そう思うのだった。





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