南風通信

みなみかぜつうしん あちこち 風のように

別府

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昔の職場の友人が、関東から大分へ遊びに来る事になり、折角だから皆で温泉宿にでも一泊しようとという事になった。

 

ぼくは昼間にどうしても外せない用事があり、夜から宿に合流した。ぼくを除いた男女四人は、この昼間に県南の美味しい海の幸を堪能したらしい。

 

午後6時に宿の部屋へ合流すると、テーブルの上には殻になったビールの缶が並んでいて、もうとっくにいい感じになっていた。

この晩は、宴会場の広間で夕食を頂きながら更にお酒を飲み、豊後牛のしゃぶしゃぶや鶏めしやなどに舌鼓を打った。


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翌朝早くに、関東からやって来た友人と二人で、露天の岩風呂に浸かった。彼は疲れを癒やしながら静かに目を閉じて、じっと源泉かけ流しの湯を味わっていた。岩風呂の周辺は木々が繁っていて、その合間を遊ぶ鳥の鳴き声が響いていた。別府という町の実力を改めて感じた。

 

この日の宿は少し古びた宿で、昭和感溢れる宿だった。ロビーには卓球台が置いてあったりして、しかも、それが自然な感じなのだ。フロント脇の備え付けの瓶の中には、焼酎がたっぷり入っていて、これが飲み放題。柿ピーナッツなどのおつまみも食べ放題の至れり尽くせり。そのせいでロビーで居酒屋にでも来たように、随分飲んでしまった。今回の五人(男2女3)は皆、酒があればいくらでもイケるクチなのだ。

 

思い起こしてみると、食事の会場はよく見れば、結婚式の披露宴会場として使われていた(使われている?)広間で、そこに浴衣姿の客達が長テーブルに並んで座っていた。前のステージで新郎新婦の友人達がカラオケを歌いそうな、そんな場所。

別府の古びた宿には、インターコンチにも星野リゾートにも出せない魅力が、そこにはあった。


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