南風通信

みなみかぜつうしん あちこち 風のように

ちいさい秋みつけた

 

 9月に入っても盛夏のままの強い日差しは、露出した肌をじりじりとさせるのだけれど、ふっと流れる風には、微かな秋の気配が混じり始めたように思う。こんな感覚は沖縄にいた3年のは感じることは無くて、少し懐かしさを覚えながら内地に戻ってきたことを実感する。

 

 そういえば子供の頃、学校で歌った唱歌に「ちいさい秋みつけた」というのがあったなと思う。「ちいさいあき、ちいさいあき、ちいさいあきみーつけたー」と小さく口ずさんでみるが、その後の歌詞が続かない。あれ、なんだったけ?と思い返えそうとするけれど、どうもあやしい。

 

 「おーにさん、なんとか手のなる方に-」そんなあやふやな歌詞が思い浮かぶが、しっくりこない。ん?秋と関係ないような・・・。

 

 あの唱歌は「ちいさい秋みつけた」と歌うんだけど、具体的にどんな小さい秋を見つけたのかは表現してなかったのではなかったか。そんなことを考えながら、ちいさな秋が入り交じった9月の柔らかな風を感じつつ、職場から駐車場への道を歩いた。

 

 日常に季節の微かな移り変わりを感じられるような、穏やかな生活が出来ることは素敵だ。6月から始まった、この忙しくも穏やかな新生活を改めて有難く思った。