南風通信

みなみかぜつうしん あちこち 風のように

にわか矢沢永吉ファンの独り言

 

 台風14号に振り回された3連休となった。

 実は、9月18日の福岡PAYPAYドームの矢沢永吉のコンサートに行く予定だったのだ。

 

 正直に言うと僕は矢沢さんのファンではない。でも、矢沢永吉というアーティストの生き方には魅せられている。73歳であれだけのパフォーマンスを維持しているアーティストが他にいるだろうか。職業人としてのプロ意識に感銘を受けるのだ。

 

 そんな矢沢さんが年齢的にあとどれくらい大規模なライブを出来るのだろうと思う事もあって、どうしても今回は観たくなり、初めて応募したチケットが幸運にも当選したのだ。

 

 しかし、台風のせいで泣く泣く行かない事を決断した。大分県から福岡ドームまで車で走るつもりだったのだけれど、ツマの大反対に遭い断念した。僕は当日の午前まで本気で行くつもりだった。ライブ決行が公式に発表された瞬間に唐人町にホテルを予約したのだけれど、それもパーだ。勿論、お金は戻らない。

 

 こんな話を聞けば「馬鹿げている」と思う人が多いだろう。僕も馬鹿げていると思う。しかし、自分なりに様々なリスクを十分勘案した上での「行く」という決断だったのだ。常識的には間違っていたとしても。

 

 ライブ翌日、ネット上では矢沢のライブ決行に対する批判的な反応が多かった。でも、言っておきたい。ライブは決してお金のために一方的に開催されたものではないのだ。決行の発表と同時に公式ページには、以下のような「お願い」が記載された。

 

「ただしチケットをご購入いただいたみなさんにお願いです。

 ご来場いただく方は、ご自身の判断で必ず安全を確保できる方、

 帰路につける方のみご来場ください。

 

決してご無理なされず、ご自身で判断してください。

今回は断念するという方には、全員ご返金させていただきます。

後日、返金手続きのご案内をさせていただきます。」

 

 今日の夕方には返金に関する案内の一報が、早速メールで届いた。矢沢さんは筋を通す人だ。今回のライブ決行も、批判覚悟で応援してくれるファンに筋を通したのだと思う。

 

 今回の台風で被害に遭われた方もいる。だから、そんな状況下でライブを行うなんて非常識だと思う。でも、そんな中でも批判覚悟で自分の大切なファンとの約束には筋を通し、自分のケツは自分で拭くという生き方もある。そんな姿を見せられたような気がする。

 

 そんな生き方は今の時代に合っていないと思うけれど、自分の頭と、自分の手足で生きている人は力強く人生を生きているようにみえる。そう思わせてくれる人が矢沢さんなのだ。

 

 だからファン達も矢沢さんに筋を通し、どんな決断をしたとしても自分のケツは自分で拭かなければならない。今、思うことはそんなことだ。そんなわけで、今夜は以上、ヨロシク!