高知県と聞いて、どんなイメージが浮かぶでしょうか?
カツオでしょうか?
それとも、よさこい?
きっと高知県と聞いてお酒をイメージされる方も多いでしょう。
ぼくが高知への転勤が決まった時、職場の皆が
高知人の酒の飲み方は尋常ではないと、脅してきました。
いわく「学生時代に高知出身の友人がいたが、男も女もとにかく酒をガブガブ飲んでいて、見ているだけで酔った」とか「高知の宴会では、杯の底が尖っていて、酒を飲み干さなければ杯が置けない」とか、更には「いやいや、そうじゃない。高知の杯は、底に穴が空いてあるから飲み干さなければ置けないのだ」等々。
ぼくは九州生まれの焼酎党です。それも芋焼酎のお湯割りをこよなく愛します。
そんなぼくは、かつて、お酒で大失敗をしたことが数度あります。そして、そのすべてに日本酒が絡んでいました。
どうも体質的に、日本酒を飲むと悪酔いしてしまうようです。
ところが、ここ高知県は日本酒王国です。
ぼくは、大いに怯えながら高知の地を踏んだのです。
そして、迎えた高知での酒宴。
杯は底が尖っていたりはせず、そこに穴が空いていたりもしません。
「あれれ?」と、やや拍子抜けです。
底の尖った杯や、底に穴が空いた杯は、土産物屋などて見ることができます。でも、一般的には使われていないようです。
高知人の酒宴は明るく楽しいです。そして「長い」。
昨年出席したある忘年会などは、午後の早い時間からスタートしました。その会は、二次会、三次会、四次会、はたして五次会まで流れる強者もいたようです。
午後1時からスタートした忘年会は翌日午前3時まで続いたそうです。(ぼくは二次会て失礼しました)
高知では女性もお酒をよく飲みます。男も女も陽気に楽しいお酒です。そういえば、高知の方は、飲めない人に無理に飲ませる事はありません。無理強いは九州の方があるかも。
ところで、高知には「献杯」(けんぱい)と「返杯」(へんぱい)という言葉があります。
酒席で、目上の人にお酒を注ぎに行きます。(献杯)すると、注がれた人は、それを一気に飲み干してお酌をしてくれた人におちょこを返してお酒を注ぐ。そして、注がれた人はそれを一気に飲む(返杯)
これを色々な人と繰り返してゆきますので、あっという間に酔っぱらいます。
この辺の作法は、まだまだ勉強中です。
先日、仕事がらみの酒席で、某大手生命保険会社の方とお話をしました。
その会社は全国転勤がありますが、大体3年から4年で異動となるようです。ところが高知勤務だけは2年で異動となっているそうです。
「それは、やはり体がもたないからでしょうか?」
ぼくがそう聞くと、相手はとっくりとおちょこを持ったままコクリと頷きました。
会社の人事にも影響を及ぼす高知のお酒事情。恐るべしです。
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