1985年と2024年の2つの「YOUNGBLOODS」を聴いている。
1985年の映像に、なんとも言えない懐かしさを覚える。80年代のファッションも格好いいじゃないかと。そして、39年前の若者たちの初々しい表情に、ずっと昔に、いつか会ったことのある人のように思ってしまう。
画面に映し出される時代の高揚。この年は国際青年年だったと記憶する。そして、YOUNGBLOODSは、この国際青年年のテーマ曲だったように思う。
一方、2024年の洗練されたYOUNGBLOODSを聴きながら、随分と長い間、佐野元春を聴いてきたなあと感慨にふける。それは、佐野が今も進化を止めない現役のロックアーティストでいてくれるからだ。
初めて佐野の曲を聴いたのは、いつの事だったか。佐野の曲を通して同じ時代を見てきたという自負もある。2000年代前半にはデビューから共に歩んだ「エピックソニー」と別れ(半ばけんか別れだったと認識している)、自分のレーベル「Daisy Music」を立ち上げ、新たなバンドと共に時代を反映する傑作アルバムを出し続けている。
2021年に「Daisy music」の配給先が、それまでのユニバーサルミュージックからソニーミュージックに移行されたとき、「WELLCOME BACK、MOTO」という看板とともに、エントランスでソニーのスタッフが佐野を歓迎したという。
気がつけば短くない時が流れていて、色々なことがあった。穏やかな日も、困難な日もあった。そして、今も佐野はグッドミュージックを作り歌い続け、ぼくはそれを聴き続けている。
こんなに長く側にいてくれ、同じ時代をくぐり抜けてきた希有なアーティストに、ぼくは、とても感謝している。