南風通信

あちこち 風のように

土佐のお座敷遊びは飲みまくりぜよ!

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 これまでに転勤でアチコチに住んできましたが、その土地を離れた後に「ああ、あそこに行っておけばよかったあ」と思うことが少なくありません。

これが東京や大阪などの大きな都市ですと「いずれ行く事もあるかもしれないなあ」くらいに思うけど、縁もゆかりも無い地方都市だと、なかなかそうもいかないんですね。

例えば、九州の鹿児島なんかがそういった感じです。5年ほど住んでいた時に「奄美大島や屋久島などの離島に行きたいなあ」と思っていましたが、ぐずぐずしたまま結局行きませんでした。今になって鹿児島に、しかも市内でなくて奄美大島に行こうとすると、他の多くの行先候補たちの中に埋もれてしまい、なかなか足が向きません。「ああ、あの時に行っておけば良かったなあ」と大河ドラマ「西郷どん」を見ながら悔しくなってしまうのです。

 

高知に来て1年半が過ぎました。あとどれくらいここにいるのか分かりませんが、鹿児島の時のような悔しい思いはしたくないなと、最近は強く思ったりもするのです。

そこで、「高知にいる間に、行っておきたい・やってみたいリスト」を、頭の中で思い描きます。その一番最初に思い付いたのが「土佐のお座敷遊び」でした。

 

土佐は「酒国」です。美味い土佐酒がたくさんあります。本来、焼酎党のぼくにも分かるくらいに、土佐酒はうまいんです。土佐鶴、酔鯨、司牡丹、しらぎく、文佳人、久礼・・・。どれも旨い。それと相まって、酒を楽しむ文化も深く土地に根差していて、また奥深いようです。そして、その行き着く先は「土佐のお座敷遊び」ではないかと思うわけです。お座敷遊びというと、普段なかなか縁のないぼくなどは、大人の人間関係やお金や色恋の渦巻く世界を思い浮かべてしまいます。(ドラマの見過ぎですね)さて、実際はどうなんでしょう。

 

会社のお偉いさんの一声で、料亭「濱長」でのお座敷遊びが急に決まったのは、3月の末近い頃、お座敷遊び決行の前日の事でした。実は、今年に入って、お座敷遊びにいこうよ、と会社の色んな人に声を掛けていましたが、それがお偉いさんの耳に入り、「じゃあ行くか」となったようです。

土佐の料亭にもランクがあり、料亭「濱長」は最高クラスです。普通、プライベートで行こうなんて思いもしない場所なんです。会社のお金で行く場所。接待の場所としても最高クラスではないでしょうか。

元々ぼくが計画していたお座敷遊びは、濱長よりもずっと庶民的なお店でした。それが、思いもよらず、初お座敷遊びにして最高級の料亭デビューとなりました。気になるお値段も、お店とお偉いさんの交渉(?)により、かなりお安くなっていました。 ここに料金を書くのは憚られますが、本当に安かったです。そんな料金設定もあり、職場のメンバー12人が押し掛ける事なったのです。

 

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一同乾杯のあと、席に付いた仲居さんの軽妙なトークとともに、コップや杯は空いては注がれを繰り返します。

「この後、お座敷遊びで飲まされますから、あまり飲まない方が良いですよ」隣の席にいた若手のM君が、ぼくに耳打ちします。Mくんは、ネットで事前に対策を予習してきたようです。なかなかやるな。

 

この日は、たまたま、濱長の看板芸妓の一人、金魚さんの最終日でした。この日を最後に引退してしまうとのことです。

舞台に三味線の音が響き始めると、酔客たちの嬌声も収まり、皆の視線が舞台に注がれます。金魚さんは舞台の上で深くお辞儀をした後、華やかに誇らしげな顔を上げて、「浦戸湾」を舞い始めました。

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「浦戸湾」の優雅な舞が終わると、次はコミカルな「しばてん踊り」が始まりました。ユニークな被り物をして、客も飛び入りで一緒に踊ります。

 

これがね たまるかね 
ゆうべの夢に ネート チャッ チャッ
好きなあの子の手を引いて
 
 おんしゃなんなら おらしばてーんよ
 おんちゃん相撲取ろ取ろーちや チャッ チャー
 ハッケヨイヨイ ハッケヨイヨイ コリャ
 ハッケヨイヨイ ハケヨイヨイ ソレ     
 ノコッタノコッタ マダマダ ノコッタ

 

珍妙な歌と踊りに、お座敷は笑いに包まれました。

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さて、ここからが「お座敷遊び」の本番です。まずは「菊の花」というお遊び。まず、お盆に人数分の杯を伏せて並べ、その中の一つの杯に黄色い菊の花を忍ばせます。これで準備は完了。あとは皆で手拍子に合わせて歌います。

 

♬菊の花〜 菊の花〜 開けてうれしい菊の花
♬誰が取るのか菊の花〜

 

歌に合わせて一つ杯を返します。菊の花が入ってなければ盆を隣の人へ。これを菊の花が開けられるまで繰り返します。見事、菊の花の杯を開けた人は、その時点で表になっている盃分のお酒を飲まなければいけないという訳です。別名、お酒のロシアンルーレットです。

これにはサブルールがあり、3人目までで菊の花を開けてしまうと杯5杯分を飲まなくてはいけなくなってしまいます。

ぼくは、見事2人目で菊の花を開けてしまい、5杯のお酒を飲まして頂きました。何度か繰り返しましたが、12人もいるのに、何故か、みんな3人以内に菊の花を開けてばかりで、順番が回ってこない人からは「こっちも飲みたい」とクレームがあったとかなかったとか。

 

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お座敷遊びの二つ目は「可盃(べくはい)」です。

 

可愛らしい朱塗りの丸盆に、陶器の天狗・ひょっとこ・おかめの盃と
六角、面ごとに盃の絵柄が描かれた可愛らしい「独楽(こま)」
これが「可盃セット」です。

高知といえば、この可盃の事を聞いた事のある人も多いのではないでしょうか。天狗の盃は鼻がじゃましてテーブルに置けません。盃を空けないとお酒がこぼれてしまいます。ひょっとこの盃は穴が開いていて、注がれたお酒を飲み干さなければ漏れてしまいます。おかめの盃は、女性の顔を下にして置くのは失礼だという事でお酒を空けなければいけません。

よーするに飲まないといけないという事です。

 

陶器の独楽を持った人が「この中で一番〇〇な人」とお題を出してから、独楽を回します。盆の上を回る独楽が止まり倒れて、独楽の軸が指した人が、独楽の絵柄の盃で飲むのです。

 

お偉いさんが、一番最初に「この中で一番エロい人」と言って独楽を回しました。やがて止まった独楽の軸は12人の中でぼくを指しました(笑)

独楽の絵柄は天狗です。この天狗の盃は普通の盃の5杯分あるとか。うーん、これはキクー!はあ、ご馳走様でした。

この後は「この中で一番のナルシスト」などで3回連続で独楽に指された一番の若手のSくんがグイグイと飲み、一同笑いに包まれました。

 途中から、ぼくもしたたか酔ってしまいました。写真のピンボケ・ブレはご愛敬。

「土佐のお座敷遊び」は、明るく、楽しいお酒でした。

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