南風通信

みなみかぜつうしん あちこち 風のように

高知で二番目に好きな店

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こんにちわ。

良いお酒飲んでますか?

前回の記事で一人飲みの気楽さについて書きました。そして、一人飲みでしばしば訪れるお店「関羽」について書きました。

さて、今回ですが、一番があれば二番があるという事で、一人飲みにぴったりなお店をもう一軒ご紹介する事となります。

 

「日本で一番高い山は富士山だという事は誰でも知っているけど、日本で二番目に高い山は誰も知らない。だから一番を目指さなければ意味がないのだ」

きっとどこかで聞いたことがあるフレーズです。でもね、二番でも三番でも知る人ぞ知るですし、結婚するなら二番目に好きな人っていうじゃないですか。あ、決して民主党時代の蓮舫議員の発言を擁護するつもりではありませんので、誤解なきように願いますね。ともあれ、二番手には二番手の味があるものです。ここでは二番目と書いていますが、本当は「関羽」と甲乙つけがたいお店なのです。

 

「葉牡丹」は、高知市の中心街にある中央公園の真向かいにある居酒屋です。小さなブリキのおもちゃのような、とさでんの路面電車が店の前を、始終行き来しています。

 このお店の開店時間は午前11時からです。ランチメニューもありますが、やはり昼間でもお酒好きがカウンターを埋めているようです。

 

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この日は夕方の早い時間から一人飲みを楽しみました。外はまだ明るい時間ですが、カウンターは既にいい具合に仕上がった酔客で満席です。この店でカウンターについて最初のオーダーは決まっています。生ビールとフライの盛合わせです。エビ、豚、魚介、いか、野菜の串フライを合わせた「フライ盛」は、その場で揚げたての熱々です。それでいてお値段は287円。有難い。

熱々のフライを、火傷しないように運び一口。その後、冷え冷えの生ビールで口内を急速冷却。あちあちひえひえを繰り返し楽しみます。

 

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創業当時から変わらないというフライ盛。

 

 

カウンターの端っこにはTVモニターが掛けてあって、大相撲をやっています。この日の千秋楽は特別なものです。アメリカの大統領が升席で観戦するというのです。前日には、三役未経験の平幕力士が初優勝をしたという事で盛り上がった国技館でしたが、この日はまた違った盛り上がりを見せています。カウンターの酔客たちも興味津々でモニター眺めながら酒を飲んでいます。

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 アメリカ大統領が土俵に上がり、優勝力士に大統領杯を渡すというシーンに酔客たちの目線が集まります。

「土俵の上に靴であがっとる!」

「そりゃーいかんわ。日本の文化を侮辱しとる」

酔客たちの憤った声が聞こえます。ぼくも少し酔った目で画面を眺めていましたが、トランプさんはスリッパを履いていたような・・・。

憤った酔客たちは、先ほどの光景も忘れたようで、また自分たちの酔いどれ会話に戻っていきました。

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 こちらも有難い。ホルモン煮込み173円。

 

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生ビールが空いた頃、隣に座っていたスポーツマン風の紳士が声を掛けてきました。

「高知の方ですか?」

転勤族だと答えたところから、この隣り合わせた男性との酔いどれ話が転がり始めました。

生ビールの次に、土佐鶴の冷やをお願いしようと、カウンター向こうにおねえさんに声を掛けます。

隣のスポーツマン紳士が言う。

「土佐鶴も良いですけど、桂月も美味いですよ」

その言葉に従って、ぼくはおねえさんにお願いして、土佐鶴を桂月に変更してもらいます。

桂月をコップで飲みながら、つらつらと話が続きます。この人は元高校球児で、高知の高校野球の名門、高知商業野球部のOBでした。

「息子がサッカーに夢中で野球をやってくれない」と苦笑いしていました。

葉牡丹は、カウンターで隣り合った縁での酔い話が起こりやすいお店なのです。

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高知の名物「沖うるめの焼き物」

 

30分ほど気持ちの良い無駄話をした後、そろそろ〆に入ります。ここは葉牡丹の〆の一品は、断固、土佐巻きとしたい。

土佐巻きは、カツオのタタキをスライスした生にんにくと一緒に巻き寿司にしたもので、ぼくは葉牡丹の土佐巻きが大好きです。一人前の半分「ハーフ」をここで食べる事にして、別に一人前をお持ち帰りにします。家人も葉牡丹の土佐巻きが大好きなのです。

入店から一時間程で店を出ました。店の外はまだ十分に明るくて、まだこれから飲み始める人も多そうです。心地よい酔い味での家路となったのでした。

 

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これぞ葉牡丹の土佐巻きハーフ。

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土佐巻きお持ち帰り。箸袋と包装紙のデザインが素晴らしいのです。

 

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