南風通信

みなみかぜつうしん あちこち 風のように

長崎旅行をつらつらと② 珈琲 冨士男のサンドイッチ

 

長崎市を走る路面電車の電停に「思案橋」というものがある。

その名の通り、むかしここには橋が架かっていたそうだ。

その橋の向こう岸は遊郭で、この辺りをそぞろ歩きした男達が「行こうか、戻ろうか」と思案したから「思案橋」なのだとか。

 

その思案橋電停からほど近くに、珈琲 冨士男がある。

正統派の喫茶店である。そして、このお店はサンドイッチの美味い店として有名なのだ。もちろんコーヒーもとても美味い。

 

午前10時過ぎに到着すると、6組ほどの行列。やはり人気店だと納得して列に並ぶ。

30分ほどして、良い具合に空腹を感じながら入店すると、昭和モダンとでもいうような落着いた店内は満席で、客はそれぞれに食事を楽しんでいる。

 

ぼくらも早速オーダーする。ぼくはハムサンドと野菜サンドにコーヒーのセット。それとは別にフルーツサンドを一皿とって、シェアして食べることにする。ここのサンドイッチはどれも美味いが、フルーツサンドは必ず食べるべきなのだ。

ぼくはここのフルーツサンドを初めて食べたとき、今まで食べたフルーツサンドは生クリームとフルーツをパンで挟んだだけのものだったと思った。冨士男のフルーツサンドは、これぞフルーサンドといった一品だ。

 

長崎に来る度にこのお店に寄って、サンドイッチとコーヒーを楽しんでいる。もう何度目だろうか。それなりの回数かと思うが、まったく飽きる様子もない。こうやって旅行先に定番が出来るのはいいものだなあと思う。きっと、次に長崎に来たときも、ここへ来るだろうと既に確信しているのだった。