この曲は僕にとって、少しだけ特別な曲だ。
若い頃に、仲の良かった女の子とふたり、電車のホームに並んでいた時、彼女が耳にイヤホンを当てていたので、ぼくは彼女に聞いた。
「なにを聴いているの?」
彼女は、少しいたずらっ子のような顔でぼくを見上げ、彼女の右のイヤホンを外して、ぼくの左耳にそっと当てた。そして、流れてきた曲がこの曲だった。この曲が、映画のテーマソングだと教えてくれたのも彼女だ。この映画をいつか観に行こうという約束は、その後、どうなったのか良く覚えていない。
あれは、そう、若き日の永遠の一瞬。