南風通信

みなみかぜつうしん あちこち 風のように

高知県

四国バースデイ・フリー切符の旅 ①

旅人、松尾芭蕉は「旅を栖(すみか)とす」と記したという。ぼくにとっての旅は、しばしの「流れていく景色」だ。私的なロードムービーだ。 今年の冬に、フリー切符を使って列車とバスの旅をしました。高知市から「四国のみぎした」を抜けて徳島へ至る短い一…

釣れない釣り人の幸福な水辺2

「1時間幸せになりたかったら、酒を飲みなさい」 「3日間幸せになりたかったら、結婚しなさい」 「8日間幸せになりたかったら、豚を殺して食べなさい」 「永遠に幸せになりたかったら、釣りを覚えなさい」 ~中国古諺~ . 夏が過ぎ、季節が進み、ここ高知に…

不意に懐かしい友人に会ったような

このブログのタイトルは「南風通信」です。実は、このタイトルにはちょっとしたイメージが込められています。 ぼくが、架空の喫茶店「coffee南風」のマスターになって、店の周辺の出来事や、常連のお客さんとのやり取りや、近所の迷いネコの捜索や、簡単な業…

本家よさこい参戦記2017④

高知は明るい。そもそも、太平洋に向かって両手を広げたような地形は太陽の光を全身で受ける人のようだ。 高知は自由だ。周りを伺い言葉を選ぶよりも、思ったことをポンポンと口にする。「私はこういう人間やき。それでよかったら付き合っとうせ」 めんどく…

祭りのあと

よさこい祭りが終わりました。正直、燃え尽きました。と、言うか、炎天下で、一日中踊り続けた疲労が抜けきらないのです。でも、よさこいの日の事を思い出すと爽やかな気分になってゆきます。 甲子園で高校野球の熱戦が続いていますが、大げさに言えばよさこ…

本家よさこい参戦記2017③

よさこい祭りの本祭の2日間が終わりました。 ぼくらのチームは、大賞・金賞・銀賞が決まった後も路面電車に乗り、会場を転戦し、最後まで踊りきりました。 皆、踊りたくて仕方ないのです。 一夜明けて、今日は遊びに来ている親戚と一緒にアンパンマンミュー…

本家よさこい参戦記2017② 南風通信増刊号

よさこい祭り前夜祭が始まりました。明日、明後日が祭り本番、明々後日が後夜祭になります。高知の一番熱い4日間です。 よっちょれよ!よっちょれよ! よっちょれ!よっちょれ! よっちょれよー! さあ、始まりますよ!!

人生のヨロコビ

ずいぶん昔、少年だった頃、地元を流れる大きな川の河口に、当時としてはとてもシックな大人の雰囲気のあるフレンチレストランがオープンした。 その頃、同級生のA君と、よく河原の土手に座って芝居の練習を眺めていた。当時、劇団とか芝居とかがブームだっ…

暑中お見舞い申し上げます

高知は毎日暑い日が続いています。窓を開けるセミの鳴き声が、マシンガンの銃弾のように飛び込んできます。高知のセミの鳴き声は、他所のそれよりも力強い気がします。セミも土佐弁で鳴いているのでしょうか。 最近、県外から親戚や知人、友人が高知へ遊びに…

土佐の一本釣り「沖うるめ」は、うまいぞー

土佐の一本釣りといえば、やはり、カツオでしょうか。 一本釣り漁は、巻き網漁に比べて魚の身が傷まないので美味しく食べる事が出来、市場価格も高いようです。 ここ高知県では、もう1つ有名な一本釣りの魚があります。 一本釣り「沖うるめ」。 この沖うる…

高知の酒の作法

高知県と聞いて、どんなイメージが浮かぶでしょうか? カツオでしょうか? それとも、よさこい? きっと高知県と聞いてお酒をイメージされる方も多いでしょう。 ぼくが高知への転勤が決まった時、職場の皆が 高知人の酒の飲み方は尋常ではないと、脅してきま…

南国土佐のニュー・シネマ・パラダイス

ぼくの生まれた街には小さな映画館があった。 商店街の細い通り沿いの古びた八百屋の二階にそれはあった。 随分と昔のこと。 その八百屋の二階の小さなシアターの座席は、ぼくにとってまだ見知らぬ世界への入り口だった。 高校生だった頃、ここでやってる映…

週末は「〆餃子」安兵衛のギョウザでシメる

毎週ブログを更新するのは楽しみでもあり、大変な事でもある。 「何となく毎週更新」で始めたのですが、やがて「毎週土曜日午前11時更新を目指す」に自分の中でルールを変えました。そうした方が一週間のリズムを作り易かったからです。 記事をストックする…

ユリフェスタ2017

高知市長浜のユリフェスタに行きました。写真を撮ることが目的ではなかったのですがカメラを持って行きました。 ぼくはいつもは花の写真を撮りません。 上手い人たちが花を撮った写真を見て自分にはとてもそんな腕がないと思うから。 それなのに今日はユリの…

本家よさこい参戦記2017①

ある日、職場の若手のM君がにこにこしながら近づいてきた。手に一枚の紙を差し出し「よさこいの申込書ですけど、今年も出ますか?」と言う。 咄嗟に「もちろんだよ。よろこんでー!」と注文を受けた居酒屋の店員のような返事をしてしまった。どうやら高知の…

ベトナムランチに導かれて

金曜日の夜の事。よく行く居酒屋のカウンターで一人飲んでいました。 お店の名前は高知市の名店「葉牡丹」です。ここは安くて美味い、良い居酒屋の見本のようなお店で、ちょくちょく一人でも行ったりします。 いつも通り「フライ盛合わせ」と生ビールでスタ…

高知の鯉のぼりは水の中を泳ぐ

高知県は日本の未来を映している。 日本の社会は高齢化が進んでいますが、ここ高知県の高齢化率は全国平均の推移の10年先を示しているそうです。つまり、高知県の10年前の高齢化の状況が今の日本の姿だという事です。 高齢化社会というと、なんだか暗いイメ…

GWで行った四国のうまいものを語る

今年のGWは九州より親戚が遊びに来ました。6泊7日で松山~丸亀~高知などを回って、昨日帰っていきました。 以前、一人旅の事をブログに書きました。 www.fuku-taro.net 一人で列車旅をした時に感じたのですが、一人旅に観光地はむかないと思うのです。や…

高知市路地裏さんぽ

カメラを持って街を歩くのが好きだ。 それはたぶん、カメラを始めた頃に見た森山大道の古い写真集に影響を受けているからだと思う。 街にはそれぞれに表情がある。メインストーリーの煌びやかに浮かび上がるショーウインドウよりも、路地裏の人間臭さに魅力…

釣れない釣り人の幸福な水辺

「1時間幸せになりたかったら、酒を飲みなさい」 「3日間幸せになりたかったら、結婚しなさい」 「8日間幸せになりたかったら、豚を殺して食べなさい」 「永遠に幸せになりたかったら、釣りを覚えなさい」 ~中国古諺~ 昔読んだ開高健の本に書いてあった格…

土佐の「さわち料理」をご存知ですか?

ぼくが高知へやって来て半年以上が過ぎました。高知で過ごす中で、少しずつ高知の人や風土や文化について「こんな感じかなあ」と思う事があります。 谷是 著「高知県 謎解き散歩」のはじめにこうある。 「土佐は明るい。強烈な太陽が眩しい光線を降り注ぎ、…

土佐のおきゃく2017探訪

2017年3月4日土曜日は、「志国高知 幕末維新博」の開幕の日でした。 高知城のすぐ下の広場でオープニングセレモニーが行われました。 俳優の高橋英樹さんや地元高知出身の広末涼子さんも来場しました。 テレビ高知のローカル番組「テレっちのたまご」でお馴…

高知食べ歩き / 尾木食堂

高知駅からも高知城からもほど近い所にある「尾木食堂」へ行ってきました。 お店の外に「えび特天丼」との看板が掲げていて、エビ好きのぼくは大いに気になっていたのです。 「秘密のケンミンショウ」で紹介された、「コンパルのエビフライのサンドイッチ」…

四国みぎしたフリー切符の旅(復路2・室戸完結編)

旅も3日目に入ると体が旅に慣れてくる。そして、スマホも本も手にせず(甲浦で少しだけスマホを手にしたが)情報を遮断していると、周囲の世界への親密度と感度が上がってくるように感じる。周りの光景や音がそのまま自分の中に入ってくる。外と内の境界が緩…

四国みぎしたフリー切符の旅(復路1・甲浦編)

あの列車一人旅から気が付けば一か月近くが過ぎようとしている。仕事は年度末の大行進中であり、諸々忙しくしている。日々はあっという間に過ぎてゆく。 この拙い文章を完結させるためにも、時間を巻き戻そう。四国みぎしたフリー切符の旅3日目の朝は、前日…

四国みぎしたフリー切符の旅(往路編その2)

2月15日。朝の空気は冷たいが快晴。空は晴れわたりどこまでも青く広い。四国みぎしたの旅は続いている。 7時18分に後免駅を出た列車は、通勤・通学客を乗せて静かに進んでゆく。 「次はーよしかわー。よしかわうなおくん のよしかわー」 車内アナウンスが聞…

四国みぎしたフリー切符の旅(往路編その1)

「旅慣れていると言われている人」に対して少しばかり「羨ましいなあ」という気持ちがある。ぼくは、まったく「旅慣れない人」だ。 海外旅行は過去に台湾へ一度行っただけ。それもほんの数年前の事です。 うちの妻は、ぼくに比べると「旅慣れた人」で、その…

岩崎弥太郎の生家へ行く

高知市の東方に約40キロ、車で小1時間も走ったところに安芸市という町がある。阪神タイガースのキャンプ地としても知られる静かな町なのだが、この静かで小さな町に三菱財閥の創始者、岩崎弥太郎の生家がある。 高知にやって来て岩崎弥太郎の生家を一度見て…