南風通信

みなみかぜつうしん あちこち 風のように

2017-01-01から1年間の記事一覧

南国土佐のニュー・シネマ・パラダイス

ぼくの生まれた街には小さな映画館があった。 商店街の細い通り沿いの古びた八百屋の二階にそれはあった。 随分と昔のこと。 その八百屋の二階の小さなシアターの座席は、ぼくにとってまだ見知らぬ世界への入り口だった。 高校生だった頃、ここでやってる映…

週末は「〆餃子」安兵衛のギョウザでシメる

毎週ブログを更新するのは楽しみでもあり、大変な事でもある。 「何となく毎週更新」で始めたのですが、やがて「毎週土曜日午前11時更新を目指す」に自分の中でルールを変えました。そうした方が一週間のリズムを作り易かったからです。 記事をストックする…

街の記憶1

新宿の街を歩いた。 学生時代に中央線沿線に住んでいたぼくには、東京とは新宿だった。 街はその頃よりも少し大人しくなっただろうか。 今日は良い天気で、街に光が溢れて写真日和だ。 街歩きには、やはりGRが良い。 今日のこの光景もいつか懐かしい光景にな…

久しぶりの東京

久しぶりに東京にやって来ました。 昨年7月末に高知に転勤になって以来の東京です。まだ1年経ってないんだと驚きます。きっとぼくが高知の生活に馴染んでしまったのでしょう。 今日は三ノ輪の兄の所に寄ってから、年上の友人(昔の会社の元上司。退職した…

ユリフェスタ2017

高知市長浜のユリフェスタに行きました。写真を撮ることが目的ではなかったのですがカメラを持って行きました。 ぼくはいつもは花の写真を撮りません。 上手い人たちが花を撮った写真を見て自分にはとてもそんな腕がないと思うから。 それなのに今日はユリの…

GR日和

ぼくが使っているカメラは2台ある。ニコンの一眼とリコーのGRだ。 カメラを始めようと思ったのは、ある写真家が街を撮ったスナップ写真を見たから。だから、最初に手にしたカメラはGRになった。 どんな趣味でもそうだと思うが、ハマりだすともっと性能…

本家よさこい参戦記2017①

ある日、職場の若手のM君がにこにこしながら近づいてきた。手に一枚の紙を差し出し「よさこいの申込書ですけど、今年も出ますか?」と言う。 咄嗟に「もちろんだよ。よろこんでー!」と注文を受けた居酒屋の店員のような返事をしてしまった。どうやら高知の…

大人の言うことを聞け

先のブログで書きましたが、居酒屋のカウンターで年上の先輩たちとお話をしました。 www.fuku-taro.net 自分の年齢が上がってくると職場などでは、年下の人に囲まれて過ごすことが増えてきます。たまには人生の先輩の話を聞くのも良いものです。 「自分が年を…

ベトナムランチに導かれて

金曜日の夜の事。よく行く居酒屋のカウンターで一人飲んでいました。 お店の名前は高知市の名店「葉牡丹」です。ここは安くて美味い、良い居酒屋の見本のようなお店で、ちょくちょく一人でも行ったりします。 いつも通り「フライ盛合わせ」と生ビールでスタ…

高知の鯉のぼりは水の中を泳ぐ

高知県は日本の未来を映している。 日本の社会は高齢化が進んでいますが、ここ高知県の高齢化率は全国平均の推移の10年先を示しているそうです。つまり、高知県の10年前の高齢化の状況が今の日本の姿だという事です。 高齢化社会というと、なんだか暗いイメ…

東洋のマチュピチュ・別子銅山ツアーに行く

GWは九州から四国へ親戚が遊びに来るという事で、アチコチへ出かけて物見遊山といいますか100%観光を楽しもう、という事になりました。 ぼくは元々あんまり観光地というものが好きではなかったように思います。なんでかなーと考えてみますが、その明確…

GWで行った四国のうまいものを語る

今年のGWは九州より親戚が遊びに来ました。6泊7日で松山~丸亀~高知などを回って、昨日帰っていきました。 以前、一人旅の事をブログに書きました。 www.fuku-taro.net 一人で列車旅をした時に感じたのですが、一人旅に観光地はむかないと思うのです。や…

外出先からブログを更新するのはやっかいだ

ブログを毎週更新しているが、この毎週更新を続けるのはやはり大変そうだ。 いつもは自宅のPCでブログを書いている。しかし、今日は初めてスマホからの更新になる。果たしてうまく更新できるのか不安です。 ぼくはあまりこういった機器に詳しくないのです。 …

高知市路地裏さんぽ

カメラを持って街を歩くのが好きだ。 それはたぶん、カメラを始めた頃に見た森山大道の古い写真集に影響を受けているからだと思う。 街にはそれぞれに表情がある。メインストーリーの煌びやかに浮かび上がるショーウインドウよりも、路地裏の人間臭さに魅力…

釣れない釣り人の幸福な水辺

「1時間幸せになりたかったら、酒を飲みなさい」 「3日間幸せになりたかったら、結婚しなさい」 「8日間幸せになりたかったら、豚を殺して食べなさい」 「永遠に幸せになりたかったら、釣りを覚えなさい」 ~中国古諺~ 昔読んだ開高健の本に書いてあった格…

土佐の「さわち料理」をご存知ですか?

ぼくが高知へやって来て半年以上が過ぎました。高知で過ごす中で、少しずつ高知の人や風土や文化について「こんな感じかなあ」と思う事があります。 谷是 著「高知県 謎解き散歩」のはじめにこうある。 「土佐は明るい。強烈な太陽が眩しい光線を降り注ぎ、…

土佐のおきゃく2017探訪

2017年3月4日土曜日は、「志国高知 幕末維新博」の開幕の日でした。 高知城のすぐ下の広場でオープニングセレモニーが行われました。 俳優の高橋英樹さんや地元高知出身の広末涼子さんも来場しました。 テレビ高知のローカル番組「テレっちのたまご」でお馴…

高知食べ歩き / 尾木食堂

高知駅からも高知城からもほど近い所にある「尾木食堂」へ行ってきました。 お店の外に「えび特天丼」との看板が掲げていて、エビ好きのぼくは大いに気になっていたのです。 「秘密のケンミンショウ」で紹介された、「コンパルのエビフライのサンドイッチ」…

2017年ニッポンの音楽

INABA / SALAS “AISHI-AISARE” 「最近のニッポンの社会は少し小難しすぎるように思う」 ある日カーラジオから流れてきた某有名アーティストの19年振りだという新曲を聞いていてそんな事を思った。90年代を代表するアーティストの曲は、いかにもという感じに…

龍馬の手紙

司馬遼太郎の「竜馬が行く」を読んだのは、30歳になるかならないかの頃だったと思う。ぼくは学生時代から乱読で様々なジャンルの本を読んでいたが、何故が歴史ものを敬遠していた。なぜ30歳にして「竜馬」を読んだのかは思い出せない。 しかし、遅くになって…

四国みぎしたフリー切符の旅(復路2・室戸完結編)

旅も3日目に入ると体が旅に慣れてくる。そして、スマホも本も手にせず(甲浦で少しだけスマホを手にしたが)情報を遮断していると、周囲の世界への親密度と感度が上がってくるように感じる。周りの光景や音がそのまま自分の中に入ってくる。外と内の境界が緩…

四国みぎしたフリー切符の旅(復路1・甲浦編)

あの列車一人旅から気が付けば一か月近くが過ぎようとしている。仕事は年度末の大行進中であり、諸々忙しくしている。日々はあっという間に過ぎてゆく。 この拙い文章を完結させるためにも、時間を巻き戻そう。四国みぎしたフリー切符の旅3日目の朝は、前日…

四国みぎしたフリー切符の旅(徳島ウロウロ編)

四国みぎしたの旅は続いている。旅は二日目なのである。 昨晩から徳島にいる。そして、この日の予定は、全く決まっていないのだ。 ホテルの部屋で朝をゆっくりと過ごしました。気楽な一人旅です。あんまり早くから予定を入れるのも仕事じゃああるまいし。 こ…

四国みぎしたフリー切符の旅(往路編その3)

海岸沿いの国道55号をバスは走る。平日の午前中で乗客は少ない。ここは「四国のみぎした」の室戸岬だ。 室戸岬をめぐる、この国道沿いの景色は、海の美しさと町の寂しさの組み合わせで構成される。実際、日本の地方都市ではどこにもあるような状況だと思うが…

四国みぎしたフリー切符の旅(往路編その2)

2月15日。朝の空気は冷たいが快晴。空は晴れわたりどこまでも青く広い。四国みぎしたの旅は続いている。 7時18分に後免駅を出た列車は、通勤・通学客を乗せて静かに進んでゆく。 「次はーよしかわー。よしかわうなおくん のよしかわー」 車内アナウンスが聞…

四国みぎしたフリー切符の旅(往路編その1)

「旅慣れていると言われている人」に対して少しばかり「羨ましいなあ」という気持ちがある。ぼくは、まったく「旅慣れない人」だ。 海外旅行は過去に台湾へ一度行っただけ。それもほんの数年前の事です。 うちの妻は、ぼくに比べると「旅慣れた人」で、その…

とさでんのある風景

路面電車のある風景が好きだ。 高知には、とさでんが走っていて高知人の生活に深く浸透しています。 朝の通勤時などは2,3分に一本の電車がやって来てとても便利なのです。 考えてみれば、ぼくは路面電車のある街に比較的縁があるようです。 社会人になっ…

岩崎弥太郎の生家へ行く

高知市の東方に約40キロ、車で小1時間も走ったところに安芸市という町がある。阪神タイガースのキャンプ地としても知られる静かな町なのだが、この静かで小さな町に三菱財閥の創始者、岩崎弥太郎の生家がある。 高知にやって来て岩崎弥太郎の生家を一度見て…

土佐のおきゃく

久し振りに暖かくなった土曜の午前中、高知の中心街を歩いてみると前方から黄色くペイントされた派手な路面電車がやって来る。その名も「おきゃく電車」 「おきゃく」とは土佐弁で「宴会」の事だそうで、3月には高知の中心街のまち全体で宴会をする「土佐の…

たっすいがはいかん

昨年、新書でベストセラーになった本に「キリンビール高知支店の奇跡」というものがあった。その頃、僕は埼玉に住んでいて、その本を買ったのは確かJR大宮駅の構内の本屋だったが、その時は、まさか自分が数ヶ月後に高知に転勤になるとは全く考えていなか…