南風通信

みなみかぜつうしん あちこち 風のように

国道32号を北上せよ

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 国道32号は香川県高松市を起点とし、終点の高知市までを南下すると、四国を南北に縦断する形になる。途中、四国山地の険路を越えて、吉野川の清流と並走し、瀬戸内と太平洋を結ぶように下るのだ。

 

10月27日の高知市は快晴だった。秋晴れの空は青く、高く広がっていて、何処かへ誘ってくるようだ。だからという訳ではないのだが、カメラバックを積んで車のハンドルを握った時に、ふと、国道32号を北上しようと思った。

写真の師匠と勝手に決めている、写真家の森山大道氏は、若い頃にヒッチハイクをしながら国道を撮ったという。それは後に「国道シリーズ」と呼ばれる作品になった。秋空の下、それに感化されたのだな。

 ニコンのカメラに中古で買った50ミリのレンズを付けて、国道へハンドルを切った。

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今、一番熱いラーメンを食べに行く

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高知市から高速道を西に50分程走ると須崎市に入ります。ここ須崎市は高知のご当地ラーメン「鍋焼きラーメン」の本場です。あ、そこのお客さん、こちら「鍋焼きラーメン」です、間違ってませんよ。鍋焼きうどんならそこらで食べられるけど、「鍋焼きラーメン」はここ高知でなきゃ食べられませんよー。(たぶん。他所では見たことない)

 

仕事で久し振りにこの須崎市に行く事になった。用事は午後からだったんだけど、無理やり午前中にもう一件のアポを入れて早めに出かける事に成功した。勿論、お昼ごはんを須崎市で食べるためですよ。わくわくするなあ。

 

鍋焼きラーメンはその名の通り土鍋に入ったラーメンです。2018年の日本のご時世で、しかも、群雄割拠で、生き馬の目を抜くあのラーメン業界において、なんとも地味で素朴なラーメンが高知県には息づいています。

正直、見た目はまったく美味しそうではない。(ごめん)

鍋を食べた後の〆の麺を投入した後のようなタタズマイです。(もうお腹いっぱいだよ、の感じ)

だから、見た目食欲をそそらないのです。魅かれないのです。(本当にごめん)

 

だけど、サラサラの鶏の油が浮かぶスープを一口すすれば分かる。鶏の旨みが口の中で爆発的に広がる。見た目の地味さと豊か味の深みに「ギャップ萌え」すること間違いなしです。

 

この鍋焼きラーメンは、土鍋でぐつぐつ煮立って提供されます。だからテーブルには木の「鍋敷き」が最初から置いてある。カウンターに「鍋敷き」が並ぶ光景は何だが不思議。

 

 

 

 

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鍋敷きが並ぶカウンター。

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この日はお昼少し前に到着しましたが、こんな田舎町で(重ね重ね失礼)既に20名くらいの行列でした。大阪ナンバーや香川ナンバーの車が並んでる。開店後満席になった後、最初のお客さんたちが食べ終わり、いよいよ我ら第二陣組が入店します。

ちなみに、あまり知られてませんが、超人気ラーメン店の橋本食堂は元々自転車屋が本業だったそうです。ラーメンは副業で週に2、3回のみの営業だったとか。カウンターに置かれた灰皿に自転車時代の名残が見られました。

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鍋焼きラーメンにライス小はこんな感じで出てきます。

 

 

ラーメンとライスが出てくると、まず最初にラーメン内の生卵とスープを適量ライスにかけます。鳥雑炊のようになってこれがまた旨い。写真を撮り忘れて一気食いしてしまいました。

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 麺の下には鶏肉がゴロゴロ

 

 

鍋焼きラーメンは、土鍋でぐつぐつ煮立って提供されるので「日本一熱いラーメン」とも言われます。

そして、橋本食堂のある須崎市は最近「あるニュース」で、世間の注目を「熱く」集めました。「あるニュース」とは、あの大阪の逃亡犯の事件です。盗んだ自転車で四国を回り、山口県の道の駅で逮捕されたあの事件。逃亡犯が高知県警の職務質問を受けていたのが、 須崎市道の駅「かわうその里すさき」だったのです。この時は、自転車の防犯登録の確認をせずに取り逃がしたとの事。あらららら。

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そんな須崎市ですが、最後に地元の中学生たちのエピソードを1つ。

須崎市をPRする「須崎が好きさ」という歌があります。

これは須崎市の中学校5校の生徒会が実行委員会を作り、2015年に完成させたもの。作曲・編曲は高知ゆかりのアーティスト織田哲郎さんに依頼をしています。その為の資金も中学生たちが自分で集めたそうです。織田さんと言えばZARDの「負けないで」など、数多くの楽曲提供をしているビッグネームですもんね。

という事で、今回は「須崎が好きさ」を聴きながらお別れです。お付き合い有難うございました。

 

 

www.youtube.com

 

 

 高知のラーメンはこちらもどうぞ☟

www.fuku-taro.net

 

日曜市のこれが旬でしょ!

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高知城下、追手筋で日曜日に開かれる「日曜市」には、旬の食材が並びます。今日は「四方竹のお寿司」を購入。高知で秋の短い期間にしか取れないタケノコです。切り口が四角いので「四方竹」。四角いスイカは型に入れて四角くしますが、この四方竹は何もしなくても四角くなります。

シャクシャクしてて美味いんです。これが。

 

岡山は今日も晴れだった④

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この岡山シリーズも長くなってきましたので、そろそろ区切りをつけようと思うのですが、まだまだ書きたいことが沢山あったりするのですから困りものです。少し駆け足で振り返りますね。

 

<倉紡記念館>

 

宿泊したホテル「倉敷アイビースクエア」の敷地内には、倉紡記念館があります。それもそのはず、アイビースクエアは倉敷紡績(クラボウ:上場企業ですね)の旧工場を改装したもので、倉紡記念館は工場で用いる原料の綿を貯蔵していた倉庫を改修したものなのです。

1888年(明治21年)設立。地元倉敷の経済振興を志した3人の青年が紡績工場設立を念願し、それに地元の大地主であった大原家が出資したもので、初代社長は大原孝四郎が就任しました。

倉敷に行ってみると、この大原家の存在が無ければ、現在の倉敷は無かっただろう、と思えてくるのです。孝四郎の後を継いだ孫三郎は社会活動にも熱心に取り組み、工員の教育支援の為に学校を作ったり、戦争孤児への資金援助を行ったり、病院を作ったりしたそうです。その一方でクラレや中国銀行、中国電力の設立に関り、実業家として手腕を振るっています。そうそう、倉敷観光の目玉の一つ大原美術館もこの方の設立でした。

倉敷美観地区がこれだけ観光化されても、どこか落ち着いた雰囲気を失わないのには、それ相応の理由があるのだろうと思うのです。思うに、一つには、ここが江戸幕府の天領であった為、中央の高い水準の文化が浸透していた事。二つには、美観地区を構成する建築群は移築などではなく、江戸期の生活そのままの街並みが残っている事。(ハリボテではなく本物なんですね)そして、三つには、大原孫三郎の社会貢献の思想が街づくりの根底にあった事。

大原美術館でエル・グレコの「受胎告知」の存在感に圧倒されながら、ぼんやりとそんな事を考えました。

 

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「倉敷紡績のトレードマーク:三馬(みつうま)」

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「倉紡記念館内観」

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「大原孫三郎が使用したデスク」

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「大原美術館正面」

 

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「倉敷では人力車に乗って両親は 大喜び。車夫のイシマツくんは好青年」

 

 

<後楽園から岡山城へ>

 

後楽園は言わずと知れた日本三名園の一つです。後楽園と聞いて、古い野球ファンなら読売ジャイアンツのホームを思い出すかもしれませんし、熱心なプロレスファンなら聖地「後楽園ホール」を想起するかもしれませんが、ここは岡山、もちろん庭園なのですね。

後楽園を散策していると、この日は蒸し暑く、両親もぼくと家人もバテ気味です。ほうほうの体で園内の福田茶屋にエスケープします。暑さを逃れようと皆、かき氷を注文したのですが、ここのかき氷はとても大きいので要注意です。味は申し分なく本当に美味しいのですが、とにかく量が多い。二人で1個で十分かもしれません。でも、結局みんな完食したんですけどね。体はすっかり冷えて元気になりました。

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「後楽園から岡山城を望む」

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「これが福田茶屋のかき氷。大きさにびっくり。きびだんご付きです」

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岡山城は別名烏城(うじょう)と呼ばれ、その黒い壁面の美しさが印象に残ります。現在の天守は再建されたもので、鉄筋コンクリートで出来ています。お城が好きな方には怒られそうですが、エレベーターで最上階まで簡単に行けるのは有難いです。エアコンも効いてて快適。天守からの眺望は、眼下に幅のある水量たっぷりの川が流れ、天然のお堀を形成しています。その向こうには後楽園が見える。穏やかな緑の風景に心が休まります。

 

 

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<お楽しみはこれからだ!>

 

2泊3日の倉敷・岡山親孝行旅行もようやく終盤です。最終日の午後2時前に両親をJR岡山駅に送り、ここでお別れです。父も母も楽しんでくれた様子で良かった。

さて、ぼくにはこの後の重大なミッションがあるのです。家人にも内緒だったミッション。それは岡山ラーメンを食べる事!

せっかくの岡山に来たのですから、岡山ラーメンにもご挨拶しとかなきゃダメでしょう。

「近くに美味しいラーメンがあるんだなあ・・・」ハンドルを操りながら言う。

「ええっ!これからラーメン食べるの!」あきれる家人。

この日は朝食が遅かったので、お昼は福田茶屋のかき氷のみでした。まあ、遅い昼食ということで。

行き先は岡山駅近くの老舗「浅月」。ここはラーメンにトンカツが乗っかった「カツそば」が有名です。店内に入ると有名人のサイン色紙がずらりと並びます。さすが有名店。その並んだ色紙の中にタレントの勝俣州和さんの物が。店主と並んだ写真も添えてあります。かっちゃん(勝俣さん)の来てる店は間違いない、と思ってしまいます。いつもTVで美味しそうに話されますもんね。

いよいよ「カツそば」登場。家人もなんだかんだ言って「中華そば」をオーダーしてます。スープは意外とあっさりしています。とんこつしょう油に煮干し系の風味もするスープ。麺も旨い。そして、やっぱりカツが旨いんです。ただのトンカツをラーメンに乗っけたものじゃありませんよ。スープが染みても衣が溶けないカツなんですよ。家人も「ちょっと頂戴」とカツを一口。カツの食感に「わあ美味しい」と申しておりました。どうですお客さん、「カツそば」美味いですよ。

 

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<岡山へ、またいつか>

 

今回の倉敷・岡山旅行は、両親に楽しんでもらうことが目的でしたので、自分たちが行きたい所はあまり行けてません。家人もマスキングテープを見たかった、と言っています。あ、倉敷はマスキングテープ発祥の地だと言われてるんですよ。知らない事が多いなあ。

まあ、それでも全体としては、とても満足のいく旅行となりました。でも、もう一度岡山に来るならば、回りたいところが沢山あるのです。岡山は魅力的な街でした。旅行も良いけど住むのに良さそうな街でした。岡山旅行については、そろそろこの辺で。長くなりました。お付き合いどうも有難うございました。

 

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おしまい

 

岡山は今日も晴れだった③

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両親との岡山旅行の続きです。

 

<朝の行列は何だ?>

ホテルでの朝食を終えて一旦部屋で休憩する両親を残し、ぼくと家人は倉敷美観地区の中心を流れる倉敷川の方へ向かいました。目的は倉敷川を流す川船の乗船券を購入することです。乗船券売り場へ行くとまだ販売前の時間なのに既に行列が出来ています。やがて時間になり、ぼくらは大人4人分の乗船券を購入し10時半からの乗船を予約しました。料金は大人一人500円でした。

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乗船券の購入も終わって ほっとしていたのですが、川を挟んで対岸の白壁の建物の前にも行列が出来ていることに気が付きました。「あれは何だ?」行列とみれば行ってみたくなる「ミーハー」な我々は、ぐるりと回り橋を渡ってその建物を目指します。すると、行列の先にある建物「倉敷民芸館」の塀に張り紙が貼ってあります。そこには「西日本豪雨復興支援チャリティ展」の文字。

中に入ってみると陶器や漆器などの器や、木を加工して作った食器や布ものなどがずらりと並びます。眺めながら歩いていると見覚えのなる懐かしい柄の焼き物がありました。九州は大分県日田市の「小鹿田焼」の湯呑です。この日田市も昨年の福岡・大分豪雨で災害が発生しました。300年の伝統を誇る「小鹿田焼」の窯元も大きな被害を被ったはずです。

福岡・大分も頑張っている。岡山も頑張って欲しい。ここ倉敷で日田の焼き物を手に取るのも不思議な気がしました。ぼくはこの湯呑を、そして、家人は備中和紙の手紙セットを購入させてもらいました。もう、これ以上どこにも災害が起こりませんように。被害に遭われた方が早く安心した生活に戻れますように。

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「船頭さんに倉敷の事を教えてもらいながらの川船流しは楽しい」

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<倉敷スナップ>

 

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 「倉敷川にかかる今橋に刻まれる龍の模様」

 

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「外国人の家族連れが多かった。どの国の子供も走り回って元気」

 

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「お父さんの言うことに耳を傾ける外国の家族」

 

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「昔は川から引き揚げた荷を台車で運んだという路地」

 

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 「観光地の光景」

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「ホテル、アイビースクエアは美観地区のすぐ近く」

 

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「八木酒店の看板は粋なデザイン」

 

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「3連休中なのに修学旅行生の姿があちこちに」

 

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「老若男女が楽しい、倉敷美観地区」

 

つづく

岡山は今日も晴れだった②

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<泊まったホテルは紡績工場だった>

 

今回の両親との旅行は2泊3日の日程でした。2日間お世話になったホテルは倉敷アイビースクエアといい、美観地区の中にある有名なホテルです。このホテルは、明治22年に創業した倉敷紡績(クラボウ)の創業の旧工場を改修して昭和40年代にオープンしたもので、赤レンガの壁を這うように蔦(つた=アイビー)が繁茂しており、それが「アイビースクエア」の名前の由来となっています。歴史の重みを感じるクラシカルな外観は、ここに泊まりたいと思わせてくれます。

何しろ美観地区の中にありますので、美観地区を散策する拠点として申し分ない便利さです。9月とはいえ、まだまだ日差しは強く夏を思わせるような暑さです。高齢の両親が疲れないように、ちょくちょくホテルに戻って休憩をはさみました。

広い中庭はシーズンにはビアガーデンになるそうです。この中庭で結婚式を挙げるカップルもあるようで、まさにこの日は結婚式が行われていました。青空の下で花嫁の純白のドレスが、それはそれは映えて見えたのでした。

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<くらしき花子にメロメロになる>

 

正直な話、今回の旅行まで岡山についての知識をあまり持っていませんでしたが、訪れてみると岡山県はフルーツ王国なのでした。(そういえば葡萄のイメージがあった!)それも、単にフルーツの生産量が多いというだけでなく、葡萄や桃など生産されるものの品質がすごぶる高いらしいのです。そんなフルーツ王国の魅力を体感すべく訪れたのが、倉敷川沿いにある「くらしき花子倉敷本店」でした。
 店舗一階にあるお土産物屋を抜けて階段を上がると、二階はカフェになっています。カフェの壁面には陶器がずらりと展示されていてギャラリー風の落ち着いた雰囲気です。

ここへやって来たお目当ては、岡山県産のフルーツを贅沢に使った「フルーツパフェ」です。フルーツパフェのメニューは季節ごとに変わるそうですが、この日オーダーしたのは黄金桃のパフェ、いちぢくのパフェ、それに葡萄のパフェが2種類。

どのパフェを食べようかなー、と楽しみにしていると店員さんがパフェを持ってやってl来ました。テーブルに置かれた黄金桃のパフェを見るや、父がスプーンを刺して食べ始めてしまいました。あらら、黄金桃のパフェはみんな狙ってたよ・・・。父はそういう空気が読めない人なのです。美味しそうに無邪気な笑顔の父。それを見た母が慌てて葡萄のパフェを手元に取って食べ始めました。

ぼくと家人は葡萄といちじくをシェアして食べました。あああ、いちじくって、葡萄ってこんなに美味しいんだ・・・。パフェってこんなに美味しんだ・・・・・。心地の良い甘みと食感に、皆、会話を忘れてスプーンを口に運びました。今、思い出しても、あれは美味しかったなあ。

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 つづく

 

 

岡山は今日も晴れだった①

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<親孝行をするのだ>

高齢となった両親を、年に一度くらいは旅行に連れて行こうと思うようになりました。転勤族で両親とは離れて暮らし、あまり親孝行らしい事もせずにやってきましたが、一緒に居れる時間も有限だと最近は感じます。

 

昨年、九州から初めて高知に遊びに来た両親の楽しそうな顔を見るにつけ、「年に一度の親孝行旅行」をしようと決心したわけです。その時、ツアーで旅行に行くより高知の方が楽しかった、と父は言いました。旅行は何処へ行くかも大切ですが、誰と行くかも大切なんですね。思えば両親と一緒に旅行に行く事なんてほとんどなかったのでした。

 

親孝行旅行は、まずは場所選びに頭を悩ませました。昨年、高知にやって来た両親をアテンドしながら思ったのですが、高齢者との旅行は「疲れないように動く」事がとても大切なのです。あまり長時間の移動や炎天下での行動などは難しいです。また、多めに休憩を入れる事も必要になります。そんな制約の中でもしっかりと楽しい旅行にしてゆく為の計画は、普段の旅行の計画とまた違った楽しみと難しさがありました。

正直、場所選びには最後まで決め手はなかったのですが、結果的に岡山・倉敷の旅は大正解だったと思います。

 

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「岡山駅前の桃太郎像をパチリ」

 

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「岡本太郎と桃太郎の共演:岡山駅にて」

 

九州から新幹線で岡山入りした両親と、高知から車で瀬戸大橋を渡ったぼくら(ぼくと家人)が合流したのはJR岡山駅でした。ぼくは今回が初めての岡山上陸でした。事前に想像していたよりも岡山市は大きな街でした。岡山市は人口72万人で、中四国の交通のクロスポイントとして発展したそうです。とても暮らしやすそうな所だと思いました。

 

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「駅ビルで腹ごしらえ。岡山名物えびめし」

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「同じく名物デミカツ丼」

 

 

<倉敷、食わず嫌いの淵源>

 

今回の旅行のメインは倉敷でした。実は、ぼくは、この倉敷という町に良い印象を持っていなかったのです。行った事も無いのに好きではないというのも、おかしな話ですが、これには原因があります。学生時代の友人に作家、椎名誠の大ファンの男がいました。彼が、ぼくに何冊かの文庫本を貸してくれたのですが、その中に椎名の初期の作品で「日本細末端真実紀行」というエッセイ集があったのです。そして、その本の中に「倉敷は今日もウスラバカだった」という身も蓋もないタイトルの一文があります。

平成の今の世なら、出版社が許しそうにないようなタイトルですが、80年代当時はOKだったんですね。要約すると「倉敷の美観地区は薄っぺらい」と言っています。(美観地区の裏側には、良いムードのものもある、とも言っていますが)若き日に読んだエッセイが刷り込まれていたのです。

 

椎名誠 旅する文学館 » Blog Archive » 『日本細末端真実紀行』

 

 

果たして、長年避けて通って来た倉敷を訪れる日が来たのです。行ってみた感想を率直に言えば、倉敷、美観地区はとても良かったのです。

今回の宿は、美観地区内にある「倉敷アイビースクエア」というホテルでした。ここは倉敷紡績(クラボウ)の工場を改修したもので、2007年に「近代化産業遺産」に認定されています。このホテルを起点に周囲の美観地区を歩けば、高齢の両親も疲れることなく楽しめたようです。教訓、食わず嫌いはいけませんね。

 

倉敷に入るまで、この夏の西日本豪雨の影響も気になっていましたが、ここ美観地区ではあまり影響は見られなかったように思います。9月の3連休の初日は多くの観光客で賑わっていました。倉敷美観地区、人気ですよ!

 

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「外国人観光客も。団体というよりは家族旅行といった様子が多かった」

 

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「奥に見えるのが重要文化財「大原邸」大原家と倉敷の歴史は興味深い」


つづく